KeiS a medical professional

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心血管疾患を予防するための服薬をサポートする電話介入のエビデンス

Monday, March 29, 2021

IT



今回は投薬と電話管理について

皆さんはオンライン化について、どこまで許容できますか?

オンラインになることで、対面せずにコミュニケーションが取れることから、既存の方法が通用しない場合もあり、オンラインであることに対してどのような結果が生まれるのかは今後明らかになってくるものが多いのかもしれません。

医療介入として、投薬管理ということがありますが、持病を持っている人に関しては投薬が遵守出来ているのか?ということが生命維持にも関連してくることが考えられており、投薬管理がオンライン化できるのか?ということも試されている最中かと思われます。

紹介する研究では、成人の心血管疾患の予防をするための投薬を遵守させるための電話介入について調査されています。

研究の内容

心血管疾患(心臓発作や脳卒中など)を予防するために、人が薬を服用するのを助けるために携帯電話によって提供される介入の効果に関するエビデンスをレビューしたものとなります。

研究は2020年1月までの情報を検索し、少なくとも部分的に携帯電話によって提供された介入をテストした14の研究が見つかり、参加者を少なくとも12か月間追跡したものをレビューしたものとなります。

※介入方法が異なっていたため、ほとんどの試験の結果を組み合わせることができませんでした。

2件の研究はバイアスのリスクが低く、12件はバイアスのリスクが高かった。

介入の効果は研究間で一貫していなかったので、研究者はこの結果について根拠性に確証がないとのこと。


血圧を自己で管理することと、携帯電話による遠隔医療サポートは血圧管理を改善する可能性がありますが、試験がバイアスのリスクにさらされているため、調査結果について根拠性がありません。

テキストメッセージだけで提供される介入は、血圧制御にほとんどまたはまったく影響を与えない可能性があります。

テキストメッセージと臨床医のトレーニングまたは臨床医の意思決定支援(追加機能の有無にかかわらず)を含む介入は、血圧またはコレステロールにほとんどまたはまったく影響を与えない可能性があります。

患者が保持しているアプリや、プロバイダーのサポートが追加されているアプリの影響については不明です。

携帯電話によって提供されるいくつかの介入は、人が薬を服用するのに役立つかもしれませんが、その利点は小さいか控えめです。

いくつかの試験では、介入が有益な効果をもたらさなかったことがわかりました。

これらのタイプの介入が害を引き起こしたことを示唆する証拠はありません。

Palmer  MJ, Machiyama  K, Woodd  S, Gubijev  A, Barnard  S, Russell  S, Perel  P, Free  C. Mobile phone‐based interventions for improving adherence to medication prescribed for the primary prevention of cardiovascular disease in adults. Cochrane Database of Systematic Reviews 2021, Issue 3. Art. No.: CD012675. DOI: 10.1002/14651858.CD012675.pub3

まとめ

結果から電話サポートによる介入は、予防として服薬させることに効果はあるみたいですが、メールなどによるサポートについてはあまり効果がないのかもしれません。

飲み忘れなどを警告する、という点では電話などの介入は効果があるようにも思えますが、実際に行うとなると臨床医が患者の都合の良い時間に電話する、ということは現実的でもないように思えます。

自動配信するメールシステムやアプリによる介入の効果が有益なのかもわかりませんので、オンライン化が進むには試行錯誤がまだまだ必要にも思われます。

ロボットとかが知らせてくれるようにしていれば飲み忘れはないと思いますが、普及には何年かかるのでしょうか・・・

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