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FMS ASLRを改善するための逆ASLR運動のエビデンス

Wednesday, March 24, 2021

理学療法

 

今回は足のリハビリテーションについて

皆さんはエクササイズをしますか?

エクササイズといえば、立って汗をかいて行うものである、と思っている人もいるのかもしれません。

しかし、昨今では床に仰向けになったままで出来るエクササイズを提案されているものも増えてきているので、エクササイズが出来ないことに対して「時間がない」というのは言い訳でしかなくなってきていることがあります。

そんなエクササイズですが、リハビリテーションの中にも行われるものがあり、ストレートレッグレイズ運動もそのうちの1つです。

この運動は、床やベッドに仰向けになり、片足を伸ばしたまま、反対側の足を上げるといった運動となります。

股関節の屈筋群や大腿後面の筋の伸張性、また神経系の理学検査としても同様の動きで行われるため、馴染み深い運動となっています。

紹介する論文では、この動きに対して有益な介入方法が示されている運動が紹介されていましたので紹介します。

研究の内容

機能運動画面(FMS)では、アクティブストレートレッグレイズ(ASLR)の制限のためにスコアが1であるが、パッシブストレートレッグレイズの制限がないサブグループは、安定性、または運動制御機能障害(SMCD)があると見なされます。

FMSは、FMSスコアを改善するために、逆のパターンで動きを使用することを提案しています。

この研究の目的は、SMCD(ASLR-1-)により、FMS ASLRスコアが1の参加者のFMSスコアを改善するために、ASLRの逆パターン(reverse-ASLR)がASLRを繰り返すよりも効果的かどうかを調査することでした。 


ASLR-1-SMCDの患者を対象に、2アームのランダム化比較試験が実施されました。

介入は、逆ASLRまたは自宅でのASLR運動のいずれかで、1か月間、その後1か月の待機間隔が続きました。

ここで、主要な結果の尺度は、正しいFMSASLRスコアでした。

40人の参加者がASLR運動グループ(n = 20)または逆ASLR運動グループ(n = 20)にランダム化されました。

この研究は、ASLR-1-SMCDを持つ個人のASLRスコアを改善するために、逆ASLR運動がASLR運動を繰り返すよりも効果的であることを示しました。


解説

研究の内容にも書いていますアクティブストレートレッグレイズが制限され、パッシブストレートレッグレイズに問題がない場合に、FMSスコアが1となるため、運動制御機能障害と考えることが出来るようです。

スコア改善のために、制御されている運動を強化するか、逆の運動を行った方が有益なのか?ということを調べたものになります。

結果として、上述にもある逆の運動を行った方が有用であったことが示唆されています。

ここでいう逆ストレートレッグレイズとは、

・仰向けになります。
・両下肢とも股関節を90°屈曲させ、膝も伸展位を取ります。
・次に片側の下肢の膝のみ屈曲させ、また伸展位に戻します。
・次に対側の下肢を同様に動かします。

という繰り返しの動作で行われていました。


ストレッチや筋肉の活性化などを学んでいる人にとって、対象筋と反対の作用を持つ筋へのアプローチ、ということは何んとなしに分かっている人がいるとは思われますが、機能障害と見なされている人にも有効かもしれないって方法になっています。

まとめ

FMS ASLRの改善に行われた逆ASLR運動が有益となった、という結果の研究となりました。

一般的な人からすると、何それ?的な話なのですが、リハビリテーションなどに携わる人にとっては実践する上で根拠性を持てるといった前向きな話の1つであるはずです。


研究によるサンプル数の少なさや対象者の年齢などから、制限事項はありますが試してみる価値はある知識であると思われます。

Takasaki H, Kawazoe S. Active straight leg raising (ASLR) competence improves with reverse-ASLR exercises and not repeating ASLR exercises. J Exerc Rehabil. 2021;17(1):28-38. Published 2021 Feb 23. doi:10.12965/jer.2040866.433

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