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COVID-19とスーパースプレッダーの正しい知識を身に着ける

Wednesday, March 31, 2021

感染症

 

COVID-19とスーパースプレッダー

香港大学のNIH資金による疫学者であるベンカウリング博士との会話からの抜粋した内容となります。

Clustering and superspreading potential of SARS-CoV-2 infections in Hong Kong.Adam DC, Wu P, Wong JY, Lau EHY, Tsang TK, Cauchemez S, Leung GM, Cowling BJ.Nat Med.2020 Nov;26(11):1714-1719. doi: 10.1038/s41591-020-1092-0. Epub 2020 Sep 17. PMID:32943787.



Q,「スーパースプレッダー」とは何ですか?それはCOVID-19パンデミックをどのように進行させているのでしょうか?

A.香港での感染症を調査し、発見されたのは感染はクラスターで発生したということです。平均すると、1人が別の2人に感染させている可能性があると考えられますが、実際には、多くの場合このような結果になっていません。

症例から、70%の患者は誰にも感染させず、影響していないことがわかりました。そして、症例の約20%の患者が感染の80%を占めていることがわかりました。そういった場合を「スーパースプレッダー」と呼びます。


Q,このパターンは以前に観察されることがありましたか?香港に限定される話ですか?

A.少数の症例が、感染の大部分に関与していることがわかります。そして、こういったことが起こっているのは初めてではなく、2003年にSARS(別のコロナウイルス)、MERS(中東呼吸器症候群)コロナウイルスでも発生しており、今回のCOVIDによるものでも同様だと考えられています。

私たちの研究は香港で行われていますが、香港のデータを使用して、実際には同じ現象が他の地域でも報告されています。


Q,スーパースプレッダーはどのように発生してしまうのでしょうか?

A.伝染性のケースの場合、周りにはたくさんの人がいる必要があります。感染したと心配して孤立する伝染性の人がいる場合、接触する機会がないためスーパースプレッダーは発生しません。また、こういったケースは比較的、伝染性の高いものである必要があります。今回のことからも伝染性には多くのばらつきがあることがわかりました。

スーパースプレッダーが作られる要因として、実際にそれは特定されてなく、恐らく幾つかの遺伝的要素があると思われます。また、年齢や社会的行動に関連する他の要因があるのかもしれません。


Q,どうすればスーパースプレッダーを減らすことができますか?

A.スーパースプレッダーイベントの機会を、最小限に抑える方法を見つけることができれば役に立ちますが、現状ではお店を休業する、入場制限をする、換気するといったことを行うしかありません。また、職場内ではフロア中央に感染者が1人いた場合、それを他の人すべてに広めることが考えられます。公共交通機関においては、移動距離が長い乗り物の場合はより注意が必要な場合があります。


Q,スーパースプレッダーを制限することに意味がありますか?

A.スーパースプレッダーイベントを特定し、取り除くことが出来れば感染を減らすのに大いに役立つ可能性があります。ですから、私の意見として、このことは本当に重要なアプローチと考えています。混雑を減らすことができれば、大規模な外出禁止令を出さなくても、実際に多くのことを行うことができます。


まとめ

スーパースプレッダーとは、

スーパー・スプレッダーは、感染症を引き起こす病原体に感染したホストのうち、通常考えられる以上の二次感染例を引き起こす者を指す。スーパー・スプレッダーは、自分以外の多くの人へ感染を拡大させることから、感染症コントロール・感染症疫学上での大きな懸念材料となる。

Wikipediaより引用 

ということなので、感染対策として行われるべきは「行動の制限」ではなく上述の内容のようなスーパースプレッダーを特定し、感染有効エリアを避けることだと考えられています。

現状の対策が全くの無意味ではありませんが、感染した場合は拡げないように個人が対策を講じる必要があるようです。


拡げてしまう2割の症例を少ないと捉えるのか、多いと捉えるのかは人それぞれですが、私としては感染予防よりも治療の方に注目しています。


多くの治療に関する研究では、トライ&エラーにより重症化の場合でも回復兆候が見られるものも出てきているため、現病歴との兼ね合いが強いことから世間の皆すべてが恐れる必要はないと思っています。


現に風邪とインフルエンザの中間と考える人もいるようですが、だからといって感染症を低く見積もってもいいというわけではないですし、過剰な反応をする必要もありません。

自分たちにできるのは、自分らの健康面を改善しつつ感染したならば、拡げないように行動するしかないのかもしれません。

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