今回はランナーのケガの危険因子について
皆さんはランニングをしますか?
健康でいられるためにランニングする、ということはコストが掛からずに行え、時間も確保しやすい点から誰でも挑戦できる方法です。
しかし、ランニングすることに付きまとう不安として、怪我をしてしまうのでは?という考えがある人もいると思われます。
怪我をする危険因子として、何が考えられるでしょうか?
柔軟性?筋力不足?ランニングの頻度や強度?
それらを研究したものを紹介します。
研究の内容
研究の目的として、8kmまたは16kmのランニングイベントに備えたレクリエーションランナーの負傷発生率と、負傷リスクの増加に関連する要因を報告することにありました。
研究は、オランダのアムステルダムでの前向きコホート研究により報告されました。
参加者(n = 5327)は、距離(8kmまたは16km)、メインスポーツ、ランニング経験、以前の怪我、最近の酷使による怪我、および個人の特徴を判断するためのベースライン調査を受けました。
レースの3日後、彼らはトレーニング期間の長さ、1週間あたりの走行距離、トレーニング時間、テクノロジーの準備と使用中の怪我を決定するための追跡調査を受けました。
単変量および多変量回帰モデルを適用して、傷害の潜在的な危険因子を調べました。
結果として、1304人(24.5%)の参加者が調査を完了し、現在の健康上の問題、署名されたインフォームドコンセントがない、データの欠落または不正確な参加者を除外した後、706人(13.3%)の参加者を含めました。
計142人の参加者(20.1%)が、イベントの準備中に怪我をしたと報告しました。
単変量解析(OR:1.7、95%CI 1.1から2.4)および多変量解析(OR:1.7、95%CI 1.1から2.5)は、傷害歴がランニング傷害の重要な危険因子であることを示しました。
結論として、イベントに関連したレクリエーションランナーの負傷率は20%となり、危険因子として以前の怪我が関連していることが示唆されました。
まとめ
ランニングイベントなどに参加するランナーが、負傷する確率として20%程の人が負傷し、負傷する要因として過去に経験した怪我が考えられるという結果でした。
この研究では、初心者や熟練者との違いは差ほどない、ということでしたが、怪我がどれぐらい前に受傷したものなのかは不明ということでした。
しかし、ランニングに関する筋力や体の柔軟性といった点はあまり関係が無いようで、ランニングに参加する人が懸念するそういった点はあまり気にしないでも良さそうです。
もし、参加するランニングイベントがあるのであれば、現在抱える怪我がランニング後に影響する可能性があるため、それらを解決した方が良いかもしれません。
現状として怪我がない、という人はランニングを前向きに取り組んでも問題が無いのかもしれません。
Dallinga J, Van Rijn R, Stubbe J, Deutekom M. Injury incidence and risk factors: a cohort study of 706 8-km or 16-km recreational runners. BMJ Open Sport Exerc Med. 2019;5(1):e000489. Published 2019 Mar 7. doi:10.1136/bmjsem-2018-000489