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子供の食事内容を偏らせると成長速度が増加するのか?って話

Wednesday, March 17, 2021

小児科

 

今回は小児の食生活について

皆さんは食育をしていますか?

子育てをしている人や、食育を経験した人はどのような食生活を送っていましたか?

子供の時なので覚えていない、という人や子育てをしている人も他の忙しさから詳細を覚えていないって人もいるかと思われます。


ない、とは思いますが、ベジタリアンやヴィーガンなどの偏った食生活を送っている人が、自分の子供にもそういった食生活を強いる人がいるみたいです。

そういった食生活に関する研究がありましたので、小児の発育に影響があるのかどうかを確認してください。


研究の内容

この研究の結論から言いますと、動物性食品を積極的に摂取させることが、成長と体重増加を促進させることを示唆するいくつかの証拠と、そうではないことを示唆する証拠が見つかりました。

研究は、

登録時に5~50ヶ月の年齢の合計3036人の子供を対象とした6件の研究からレビューした研究となります。
介入は、中国、コンゴ民主共和国、エクアドル、グアテマラ、アメリカ、パキスタン、ザンビアで行われ、5〜12ヶ月間の介入期間となっていました。

3つの研究では、動物性食品に鉄分、または鉄と亜鉛を添加したものと、添加していない穀物食品と比較されていました。

また、2つの研究が動物性食品と無介入を比較したものもありました。

さらに、別の研究では肉と乳製品で比較されていました。

これらの提供された動物性食品の種類には、
・牛肉
・豚肉
・卵
・ヨーグルト
・チーズ
・粉末ホエータンパク質
が含まれていました。

3件の研究が、対照群と比較して介入群の成長、体重増加の促進が報告されました。

2つの研究のうち、1人の研究では両方のグループの子供の身長と体重の両方が減少し、
グループ間に差はないことがわかりました。

別の研究では、両方のグループの子供の身長と体重が減少しましたが、介入グループの減少は対照グループと比較して小さいことが示されました。

成長や体重に関する矛盾した所見を考えると、穀物ベースの食物と比較した動物由来食物の影響、または50ヶ月未満の子供への影響については不明であるとされていました。

病気に関する研究結果では、

・ヨーグルトを使ったある研究では、摂取した子供は下痢や呼吸器感染症を経験する可能性が低く、感染したとしても早く回復することが発見されていました。

・卵を使ったある研究では、卵を与えられた子供の下痢の発生率が増加していました。
しかし、これは食生活の文化により違いがあるかもしれないことが示唆されています。
グループ間で発熱、呼吸器感染症、または皮膚の状態に差はありませんでした。

・肉ベースの食事と、乳製品ベースの食事で違いはあるのか?を調べたある研究では、64人の子供が成長(身長)と体重増加に関するデータを報告しました。

肉ベースの食事を摂取する乳児は、身長の減少を経験した乳製品ベースの食事を摂取する乳児と比較して、身長の有意な増加を示していました。
どちらのグループも体重が増えましたが、違いはありません。

そして、この研究によれば、対象となった研究の質の低さから、確証たる結論ではないとされています。

まとめ

この研究の結論として、食事の内容を偏らせたり、バランスを取りながら一部を多く摂取させたりすることで、成長が有意に変化するのかどうかは不明となっています。

食育、というものが勘違いされると、天才を育てるや運動神経の優れた子供にするため、とか偏った思想のもので捉えられて、変な習慣を子供に強いるのかもしれません。

バランス良く、ということは難しいことではありますし、バランス良くしたとしても健康に良いのかは不明ですが、偏り過ぎるのもどうなのか?という認識になりました。

Eaton JC、Rothpletz-Puglia P、Dreker MR、Iannotti L、Lutter C、Kaganda J、Rayco-Solon P. 6〜59ヶ月齢の子供の最適な成長と発達を支えるための動物由来食品の提供の有効性。系統的レビューのコクランデータベース2019、第2号 番号:CD012818。DOI:10.1002 / 14651858.CD012818.pub2。

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