今回は子供の下痢とプロバイオティクスについて
皆さんは子供の頃や自分の子供が、薬剤性の下痢になったことがありますか?
薬剤性と書いてあるので、薬の副作用であることは分かっていただけるかと思いますが、基本的な対処としては、投与している薬剤を中止することで症状が回復に向かうと考えられています。
中には、投与する目的により即座の中止が難しいものもあるため、何らかの方法で対処しなければなりません。
研究によれば、薬剤性による下痢に対処する方法として、プロバイオティクスを投与することを行ったものがあります。
研究の内容
抗生物質関連下痢(AAD)に対して、プロバイオティクスを投与し、有効性と安全性を調査した研究がありました。
この研究の結論から言いますと、プロバイオティクスの有効性はあることが示唆されていました。
研究では、
33件の研究から6352人の参加者を対象にレビューした研究となっていました。
評価されたプロバイオティクスには、
・バチルス種
・ビフィドバクテリウム種
・クロストリジウムブチリカム
・ラクトバチルス種
が含まれていました。
研究には、ラクトコッカス属、ロイコノストック・クレモリス、サッカロミセス属、またはストレプトコッカス属、単独、または組み合わせて投与され実験されていました。
下痢の発生率について報告した33件の試験の完全症例の結果は、プラセボまたは無治療対照と比較してプロバイオティクスからの正確な利益を示すとのこと。
追跡調査の5日から12週間後、プロバイオティクス群のAAD発生率は、対照群の19%と比較して8%ということでした。
19件の研究では追跡調査が失敗していたため、発生率が1~46%と不正確な結果となっています。
これらを含んだとしても、得られた結果からはプロバイオティクスグループにおけるAADの発生率の減少が統計的に有意と結論付けられました。
また、高用量試験では、プロバイオティクス群におけるAADの発生率は、対照群における23%と比較して8%となりました。
低用量試験では、プロバイオティクス群におけるAADの発生率は、対照群における13%と比較して8%となりました。
有害事象について報告した24件の試験のいずれも、プロバイオティクスに起因する重大な有害事象を報告していません。
まとめ
薬物による副作用に対して、有用性があったと言われるプロバイオティクスによる治療結果となりました。
食品からも摂取は可能ですが、それについて効果のほどを示されているものではなく、あくまでもプロバイオティクスを投与するといった形で行われていたため、民間的に使える方法なのは不明となります。
よって、この研究から得られたものを使うとすれば、処方された薬剤に対する副作用を認められた場合に、医師からの処方により実践される方法と捉えた方が良さそうです。