KeiS a medical professional

This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

sponsorlink

乳癌の発症させないための治療薬による効果と副作用のエビデンス

Wednesday, March 17, 2021



 今回は原発性の乳がんを予防する方法のエビデンスについて

皆さんは原発性、という言葉についてご存じでしょうか?

原発性や続発性など呼び方はありますが、原発性とはその疾患が他の由来していないものであることを指します。

癌などは、他の部位から転移したりと良性、悪性と言われる癌の種類でも発症した際にこういった分類から原発性なのか続発性なのかということが決められます。

治療において重要なことになりますので、紹介する研究による結果は"原発性"に有効だった、ということでご覧ください。

研究の内容

この研究による結論からでは、癌予防薬(CPA)による乳癌の発生リスクを減少出来ることがわかったとのことです。

研究は、

2018年に行われた研究では、1つのCPA(SERM:タモキシフェンまたはラロキシフェン、AI:エキセメスタンまたはアナストロゾール)と、プラセボを受けるように無作為に割ふられた50,927人の女性を対象とした6件の研究がありました。

・3件の研究がタモキシフェンとプラセボを比較
・2件の研究がAI(エキセメスタンまたはアナストロゾール)とプラセボを比較
・1件の研究がタモキシフェンとラロキシフェンを比較

と行われ、バイアスのリスクはすべてのRCTで低いとのこと。

タモキシフェンとプラセボの比較では、タモキシフェン投与グループの方が、プラセボと比較して乳癌の発症リスクが低かったようです。
気になる有害事象に関しては、比較して重度の毒性リスクが高い可能性があるようです。

特に、タモキシフェンを無作為に投与された女性では、子宮内膜症と血栓塞栓症の両方の発生率が高いとのこと。


AIとプラセボの比較では、AI(エキセメスタンまたはアナストロゾール)によって乳がんのリスクが53%減少した結果がありました。
気になる有害事象に関しては、AIは重度の毒性リスクを18%増加していることがわかりました。

内分泌系(ほてりなど)、胃腸系(下痢など)、筋骨格系(関節痛など)の有害事象が報告されていましたが、子宮内膜症と血栓塞栓症率に差はなかったとのこと。

タモキシフェンとラロキシフェンの比較では、ラロキシフェンは乳癌発生率の減少という点で、タモキシフェンよりも悪いとのこと。

治療効果を間接的に比較することで、このレビューでSERMとAIを比較されていました。
有効性に関しては、AI(エキセメスタンまたはアナストロゾール)はタモキシフェンと比較して、乳癌発生率がわずかに減少している可能性があったようです。
しかし、得られた証拠の確実性は低く、モデルの収束がないために毒性データを分析することはできませんでした。

Mocellin S、Goodwin A、Pasquali S.原発性乳癌に対するリスク低減薬:ネットワークメタアナリシス。系統的レビューのコクランデータベース2019年第4号。番号:CD012191。DOI:10.1002 / 14651858.CD012191.pub2。

まとめ

乳癌を発症するリスクは減少しますが、薬害が起きる可能性は無視できないため、リスクと利点の相互を加味して治療法を決定する必要があるようです。

自分だったらどうするか?と考えてみましたが、薬剤による副作用を経験した身として、違う方法を検討するのではないかと。

難しい部分にはなりますが、相談されたりしたときや、自分自身に起きることを考えてみて欲しいものです。

QooQ