KeiS a medical professional

This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

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心理学からみるネット検索に頼り過ぎた人間の知識について

Sunday, March 21, 2021

心理学



今回はネット検索と錯覚について

皆さんは分からないことがある時はネット検索で調べますか?

ネット検索することで知識が豊富になったと勘違いしている、ということを問題視する意見もありますが、心理学上でもネット検索することで知識が豊富になったという感覚を持つことが証明された研究がありました。

研究の内容

研究は、

ワシントンのアメリカ心理学会で発表されている研究で、302人に対してwebアンケート、テストを実施しているものがありました。

テストの内容は、

「ジッパーはどのようにして、閉じることができるのか?」

という質問に対して、最良の答えとなるwebページのリンクを教えたグループと、一般的な意見が書いてあるwebページのリンクを教えたグループというように質問に対してコントロールしたグループと比較対照する、という内容になっていました。

このような内容を4つ質問し、さらに質問を続けました。

4つの質問とは関連のない質問(何故曇るのですか?のような)を聞いたところ、最良の答えを提供してもらっていたグループは、コントロールされたグループよりも知識が豊富であるという感覚を持っているという結果が見られました。


このことからwebで検索することが、知識を膨大に持っている感覚を得られている心理状況が示唆されていることがわかりました。

結論として、

つまりは「検索」という行為がもたらす感覚は、人間の脳に膨大な知識を得ているという疑似的な実感をもたらすこととの関連性がわかりました。


エール大学のフィッシャー氏はこうコメントをしています。

「決定が大きな結果をもたらす場合、人々が彼ら自身の知識を区別し、彼らが実際に知らないとき彼らが何かを知っていると仮定しないことが重要であるかもしれません」
と彼は言いました。
「インターネットは数え切れないほどの方法で非常に大きな利点がありますが、すぐには明らかにならないトレードオフがあるかもしれませんし、そのうちの1つかもしれません。正確な個人的知識を得ることは困難であり、インターネットはその作業をさらに困難にしている可能性があります。」

まとめ

一般的な学習と違い、ネット検索では情報を得たとしても出すことが殆どないため、記憶の定着がし辛いとは言われています。

書物を読んでいるから知識が豊富なのか?と言われると、イエスであり、正しい答えを知っているとは限らない側面もあります。

私もよく書物や文献を閲覧するのですが、何が正しいのかを知るために多くの知識を得る、といったことや、知識が増えることについての喜び、といったことから情報を得ることが進むと思われます。

そういった時にネット検索することについては、全く問題がないと思われますが、別の記事にもなっています情報の真偽に関する問題がありますので、得た知識が正しいとも限りません。

今回のような知識を得た感覚は上手く使えば勉強が捗りますが、間違ったままですと頭でっかちな人間にしかならないのかもしれません。

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