KeiS a medical professional

This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

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運動する時間や強度で免疫機能が低下するぞ!って話

Monday, March 22, 2021

運動



今回は免疫機能と運動について

皆さんは運動をしていたら免疫機能が向上するって聞いたことがありますか?

そういった何らかの商材を売ったり、メディアなどでも視聴率欲しさにそういった見出しを付けていることもありますが、具体的にどのぐらいの運動で免疫機能に影響するのかを示しているものは少ないです。

運動し過ぎると免疫機能が下がり、適度に行われると免疫機能に影響する時間の目安について調査されている研究を紹介します。


研究の内容

2019年の5月に刊行された論文に掲載されている内容から紹介していきます。


・強度の高い運動は免疫機能と代謝機能を改善する

・データからは中程度な強度の運動を行うと病気のリスクが減少する

・激しい運動や長時間にわたる運動などを行うアスリートでは病気のリスクが高まる

・免疫を補助する栄養として炭水化物とポリフェノールが良いという結果もあった

・習慣的な運動は免疫機能と加齢による機能不全を予防できる

という結果が示唆されているものでした。


研究では、

60%の強度と60分を区切って運動後の結果を調査したものになります。


60分未満の高強度の有酸素運動を行うと免疫系の機能が向上し、炎症性サイトカインやストレスホルモンが減少するといった傾向も見られました。

高強度運動=急性運動と記述されているこの論文では、急性運動を行うと循環と組織での白血球の働き、交換を活発にするため、これらの適度な運動は抗炎症作用とグルコース代謝に利益をもたらすという結果でした。

次に60分以上続くような運動選手などの場合、強度の高い運動による身体的ストレスや勝負事が関与するため精神的なストレスから、生理的なメリットを上回るデメリットの働きで炎症傾向になったり、ストレスホルモンの影響も受けやすくなるということでした。


また、69件の研究によれば、マラソンやウルトラマラソンのような長時間の運動選手では上記のような傾向が見られたようです。

2311人の持久走ランナーの大規模なグループ研究では、ロサンゼルスマラソン大会の実施日から翌週の間に、13.0%の人がコントロール群よりも有意に病気を報告していた結果もありました。

こういった人たち向けに、対策法として提案されていたのは、

・個別の能力に合わせて、睡眠、食事、心理的なプログラムを専門家と策定する

・トレーニングの負荷を上げる時は週に10%未満内でコントロールします

・選手の健康状況に基づいた競技のイベントカレンダーを作成します

・過剰なトレーニングを実施する際は、病気の初期症状などを管理する

・病気になったら、集中的な練習は避けるようにする

・密閉した空間内では感染リスクを避けるために十分に施設を換気する

・感染リスクを下げるため、虫に刺されやすい場所などでは衣服を調整し、
また性交渉に関しては避妊具を活用する

・手洗いうがいを徹底する

・国内外に遠征などする際は、必要に応じたワクチンを接種する

・質の高い睡眠をとるようにする

・過度のアルコール摂取は控える

・バランスよく食事をとり、免疫機能を向上するためにも炭水化物とポリフェノールは欠かさないようにする。

といった内容の対策が提案されていました。

別の研究では、

炎症が軽減するってことに関して、1293人の中年のデンマーク人に対して行われた調査では、フィットネスとCRP(炎症性蛋白)とIL-6およびIL-18では逆相関関係があったとのこと。

つまりは、フィットネスなどの運動により(減量しないレベルの)体の炎症が減少するという有意な結果は得られていないということだそうです。

短時間の有酸素運動では炎症が低下した!という報告もあるようですが、現状では中程度以上の運動では炎症が抑えられるという確証はないということに。


次は食事に関して

1990年の研究では、運動後に90分以内に30~60gの炭水化物を摂取すると、ストレスホルモンのレベルが減少したという報告もされています。

次はポリフェノールですが、特にフラボノイドは利益が高いということで注目されており、腸内で免疫関連の作用に寄与することが報告されています。

それらの作用から、抗炎症作用に役立つと考えられているわけです。

免疫に関しては既存で出回っている情報に似通っていましたので割愛します。

全文読みたい方は(R)


まとめ

免疫機能という括りでありますが、機能が向上するのかどうかはこういった行動によって変化があるのかもしれないって内容の研究結果となっています。

・運動は強度の高い運動を60分以内に終える
・運動後90分以内に炭水化物を摂取する

といったことを行っていると免疫機能は維持できるかも?といったぐらいで知っていれば良いと思われます。

これらをやっているから、感染症を防げるのかどうかは確証はありませんが、運動の時間に関しては別の資料でも長時間運動する人はウイルス感染しやすいことが言われていました。

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