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病的ナルシシズムの原因は育児だって研究

Tuesday, March 16, 2021

精神科



 今回はナルシストの原因について

皆さんはナルシストですか?

自分を過大評価していることがみられるナルシストですが、自分自身や周囲の人間にナルシストかな?と思われる人によって何かトラブルなどは無いでしょうか?

ナルシストは、度合いが過ぎると対人関係で問題が起きるため、悩みの元になることがあります。

何故ナルシストが過剰になるのか?ということについては、1つ受けてきた育児が原因となるということを調査している研究がありました。

それらの研究結果から、子育てにおいての関わり方、または解決するためのヒントとして認識できるきっかけになると思います。


研究の内容

成長期のナルシシズムの高まりは、対人的および精神的健康の課題のカスケードを設定し、それに付随するものを理解する必要性を強化します。

虐待とさまざまな育児スタイルの経験が関係しているが、これまでの調査結果は決定的ではありません。
大きなサンプルで複数の記憶された子育てスタイルと虐待を同時に考慮することによって、この研究は、若者の壮大な自己陶酔的な特徴の両方に関連する可能性のある予後因子を解明することを目的としています。

若者を対象とし、(N  = 328、年齢範囲:17〜25歳)記憶されている対人環境と現在の壮大で脆弱な自己陶酔の特徴について報告してもらいました。

構造方程式モデリングを使用して、母親と父親の育児スタイルを調べ、育児の経験と誇大妄想狂および自己陶酔との関連を調べました。


結果から、母親と父親からの過度の保護は、脆弱で壮大な自己陶酔的な特徴の両方に関連していることがわかりました。

現在の壮大さに関連する母親の過大評価、および脆弱な自己陶酔的な特性に関連する母親の寛大さに注目していました。

父親の子育てについては、過大評価と寛大さ、過大評価とケアの組み合わせが、壮大で脆弱な特性を説明しました。
記憶された親の世話や子供の虐待が、自己陶酔的な特徴の現在のレベルに直接影響することはありませんでした。


解説

ナルシシズムが病的になってしまう危険因子の1つとして、子供時代に受けてきた父親、母親からの関わり方が関係していることが示唆されていました。

上述にある問題となる育児スタイルとして、

・過保護
・過大評価
・虐待
・無関心
・寛大過ぎる

というものが挙げられています。

子供への関わり方について、自己決定を妨げたり、過剰に物質的な支援を受けていたりすると過剰な自己愛への発展となっていくようです。

子供にとって、親から操作されている感、自分の行動を認められていない、自分が考えることなく未来が決定しているなどが、自己の評価を病的なものへ導いてしまうようです。


特に母親からの影響は直接的なものが多く関係しているようでした。

父親は?ということについては、サポートの欠如や虐待によって、非特異的因子としてナルシシズムに関係することが示されています。


研究内容にはありませんが、メディアによる影響で問題のある育児スタイルに発展しているのでは?と考察された面もありました。


○そメディアでは、注目を浴びるために、過剰な結果の出ているサンプル数1の育児スタイルを、正解であるように情報を提示していることがあります。

メディアによる影響を受けやすい人にとっては、自分や子供を見ずに、方法だけに捉われ育児スタイルを歪ませることがあるのではないでしょうか?


まとめ

病的ナルシシズムの要因の1つとして、育児スタイルに問題があることが示唆された研究結果となりました。

特に母親からの影響が強いようですが、父親が育児に参加しなさすぎるとそれも問題となるようです。

文字だけ見れば当然のことだろ?と思われるかもしれませんが、案外自分自身が受けてきた育児や、自分がやっている育児がこれらに当てはまっていることもあるかもしれません。


van Schie CC, Jarman HL, Huxley E, Grenyer BFS. Narcissistic traits in young people: understanding the role of parenting and maltreatment. Borderline Personal Disord Emot Dysregul. 2020;7:10. Published 2020 May 12. doi:10.1186/s40479-020-00125-7

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