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This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

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フェイクニュースを信じる人の3つの特徴

Tuesday, March 16, 2021

心理学

 

今回はフェイクニュースの心理学について

皆さんはフェイクニュースを信じたりしますか?

何がフェイクかトゥルーなのかを見極めることは困難であることはありますが、簡単に情報を引き出せる以上、フェイクニュースを信じてしまい何かしらの被害を受ける人はいます。

どういった人たちがフェイクニュースを信じてしまいやすいのか?ということを調査している研究がありましたので、該当しそうな人はご注意ください。

研究の内容


平均年齢31.13歳の22,706人の参加者を対象に調査が行われました。

参加者のうち、69.7%が女性で30.3%が男性でした。

この調査は、中国人民大学ジャーナリズムコミュニケーション学部の内部審査委員会から倫理的承認を受けました。

インターネットユーザーの99.1%が携帯電話を使用してインターネットにアクセスしているため、TencentNewsモバイルアプリケーションを介してオンライン調査が実施されました。

Tencentは、中国最大のインターネットポータルの1つです。

参加者は最初に10の健康関連の誤った情報を提示されました。

この調査での誤報の選択基準は、TencentNewsのJiaozhenファクトチェックプラットフォームによってリリースされた誤報を暴くメッセージに基づいていました。

この調査で使用された最終的な誤報項目は、誤報の人気、頻度、およびトピックに基づいて選択されました。

参加者は最初に、この誤った情報項目を知っているかどうかを示すように求められました。

それから、その情報を信じるかどうか尋ねられました。

10個すべての健康上の誤った情報にさらされた後、彼らは健康関連の不安、既存の誤った情報の信念、および人口統計学的情報について尋ねられました。

結果として、誤情報を信じやすい人の3つの特徴が見つかりました。

①健康関連の不安を抱えている人が信じやすい。
②健康関連情報の間違った認識や知識を信じ込んでいる
③何度も誤情報を見てしまう人

といった特徴がわかりました。

研究自体が女性比率が高い、ということもありますが、女性の方が誤情報を信じやすいという結果もありました。


解説

この研究では、上述にもあった特徴を持つ人はフェイクニュースを信じやすい傾向にあることがわかりました。

まず、①の要因として健康関連に不安を持つ人がフェイクニュースを信じやすい、ということについてです。

例として、電子レンジで加熱した食品を食べると、癌を発生しやすくなる、といったフェイクニュースが過去にありました。

人の感情から、ネガティブな情報というものは響きやすくあるため、もともと健康面に悩みがある人にとってはポジティブな情報よりも例のような情報を信じやすいということがわかります。


②に関する誤った信念についてですが、ワクチンは毒だ!と信じ込んでいる人が感染症に対応するワクチンに対して無条件に悪と感じることを想像すると納得しやすいと思います。

事実が何のにも関わずに、陰謀論や根拠のない考察などを発信し続ける人もこれに含まれていると考えることが出来ます。


③の繰り返しの暴露についても、前述と同じような内容ですが、食品添加物などに対する食品メーカーの策略によって添加されているものがある、といったことが噂されたことを思い出してみてください。

コ〇コー〇には、麻薬の成分が入っていて、中毒性が高い、とか言われているときもありました。

○○バーガーはミミズ肉だ!とか。


こういった情報に繰り返し触れることによって、人は徐々に信じてしまう、といったことになってしまうのだと説明されていました。


最後に性差についてですが、女性の方が信じやすい傾向にあることについては、統計学による証明であり、どういった要因があるのかまでは説明されていません。

しかし、収入や地位、学歴などとフェイクニュースを信じやすいという傾向については、これらが高い人と低い人を比べた場合、低い人の方が信じやすいということになっていました。

要因として、社会的地位が高いとされる人は、ヘルスリテラシーが高い傾向にあるために、こういった誤情報を鵜呑みにしにくいことが考えられています。



まとめ

フェイクニュースを信じやすい人の特徴として、

①健康面に不安がある人
②間違った情報を信じ込んでいる人
③何度も誤情報に触れてしまう

といったことが挙げられました。

対策として、ヘルスリテラシーを高くすることが1つとしてありますが、残念ながら医療従事者らもフェイクニュースを信じる人は多くいます。


自分がそういった情報に流されているのではないか?といったことを確認するためにも、上述のような特徴を振り返ってみては如何でしょうか?


最後に私がフェイクニュース対策としてやっていることを紹介します。

はじめに、1つのトピックに対し肯定的な意見と否定的な意見を探します。

次に、情報の出どころを確認します。

研究論文などは、査読があるか?資金提供元は?研究モデルは?などの見方を知るだけでも情報の精査は出来るようになってきます。

最後に、自分の意見は何か?と自問自答します。

といったところです。


Pan W, Liu D, Fang J. An Examination of Factors Contributing to the Acceptance of Online Health Misinformation. Front Psychol. 2021;12:630268. Published 2021 Mar 1. doi:10.3389/fpsyg.2021.630268

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