害のあるパートナー
虐待を受けていると、客観的に見れなくなることが難しくなってきます。それは虐待に対する対処が遅くなりますが、虐待は物理的であるとも限りません。パートナーが発する言葉にも害がある場合もありますが、パートナーを庇ったり自分の所為にしたりして、言い逃れをすることもあります。
虐待にはさまざまな形があり、
殴ったり蹴ったりと物理的なものもれば、性的な暴力を伴なった形になることもあります。多くの人にとって、この行為は心理的な害があり、無価値に感じさせたり、友人や家族から孤立させたり、ストーカー行為により害が増悪することもあります。
こういった行動はすべて家庭内暴力の一形態であり、女性の少なくとも25％と男性の10％は、パートナーによる暴力を経験したと推定することが出来る報告もあります。
「親密なパートナーの暴力は権力と支配に関するものです」
と、ハーバード大学医学部とマサチューセッツ総合病院の家庭内暴力と脳損傷の専門家であるイブ・ヴァレラ博士は言います。
一部の人は、パートナーの暴力を経験し、何年にもわたって繰り返される虐待に苦しんでいます。パートナーから受けることもあれば、他人から受けたりもしますが、この影響は長続きする可能性があります。
研究者は、親密なパートナーの暴力を理解して防止し、影響を受けた人々を助ける方法を学ぶために取り組んでいます。
パートナーの虐待の兆候
虐待的な関係の兆候を認識することが重要であり、行動を制限されることは最も一般的な兆候の1つです。あなたがどこにいるのか、あなたが友達や家族にどれだけ会っているのかを監視し、あなたが何を着るか、何を食べるか、あなたがお金をどのように使うかを決めつけてくることもあります。
言葉による虐待も一般的であり警告サインとして、他人の前で屈辱する、他の誰かを自分の暴力的な言語により非難することも含まれます。
パートナーの暴力は家族全員に影響を及ぼします。親が虐待されている家庭の子供たちは、恐れや不安を感じ、対立を恐れ始めます。子供らは暴力が発生することを警戒しています。
「親密なパートナーの暴力の影響は甚大です。それは家に壊滅的な打撃を与えるだけです」
と、アルコールと暴力に関するNIHの専門家であるテッドジョージ博士は言います。
大量飲酒は、
パートナーによる暴力の危険因子の1つです。研究によると、アルコールを大量に飲用する日には、パートナーによる虐待の可能性がはるかに高くなることがわかっています。
ジョージ博士は、コントロールの喪失と暴力に関係する脳の領域を研究しています。彼の研究によると、家庭内暴力を犯した人の中には、脳内のネットワークに異なった繋がりが特徴となった人もいました。
暴力を犯す前に留まることを覚えさせる介入は、暴力を防ぐのに役立つかもしれない、とジョージ博士は言いました。博士の発見は、飲酒が脳領域に影響を与えることによってパートナーの暴力のリスクを高める可能性があることを示唆しています。
薬物使用、人格障害、過去のパートナーからの虐待といった要因も、暴力行為に発展する可能性があるとされています。
害を理解する
家庭内暴力による害が常に目に見えるとは限りません。そして家庭内暴力を経験すると、心臓病、高血圧、消化器系の問題、生殖の問題などのリスクが高くなります。
パートナーによる暴力によって鬱病、心的外傷後ストレス障害、自殺などのいくつかの精神的健康状態に関連しており、大量飲酒や他の薬物の誤用をする可能性も高くなります。
研究によるば、多くの人が身体的虐待の結果として脳損傷を被る可能性があります。バレラの研究は、外傷性脳損傷が一般的であることを示唆しています。これは、脳震盪と呼ばれる軽度のものが特に報告されていました。これによって脳機能に長期的な影響を与える可能性もあります。
博士のチームではインタビュー、脳スキャン、およびラボテストを使用して、虐待に関連する脳損傷を調査しており、脳損傷の数と脳機能の間に関係があることを発見しました。脳損傷は、学習と記憶の問題および精神的苦痛と関連していることもわかりました。
アスリートや軍隊での訓練による脳損傷よりも、パートナーからの外傷性脳損傷を負っている女性の方が多い可能性が高いと述べている研究もあります。
「女性がしばしば受ける外傷性脳損傷は、脳損傷としてさえ認識されない可能性があり、確かに適切なケアや治療を受けていません」
と彼女は言います。
家庭内暴力は悲劇的な結果を伴ってエスカレートする可能性があります。米国では、女性は他の誰かよりも現在、または以前のパートナーによって殺される可能性が高いです。
パートナーの暴力の防止
パートナーの暴力を防ぐための最良の方法は何でしょうか？健全な関係で何をするべきなのか、健全な関係ということを知識として学ぶ方法があり、早くから学ぶことも重要です。
10代で暴力的な関係がある人は、大人としてそれらを持っている可能性が高くなります。テキサス大学医学部の10代のデートDVの専門家であるジェフ・テンプル博士は、学校ベースのプログラムで健全な関係を築くことについて若者に教えています。彼はプログラムがどれだけうまく機能するかを研究しています。
プログラムによれば、学生はロールプレイングを通じて人間関係のスキルを構築します。彼らは、謝罪や別れなど、現実の状況に対処する方法を練習します。
「彼らが実生活でそのような状況に陥ったとき、練習は非常に大きなものです」
とテンプル博士は言います。
「調査によると、葛藤を解決し、感情を管理できる子供は、後で暴力的な関係に陥る可能性が低くなります。」
彼は、それが人間であることの基本的な部分であるとしても、健康な関係にある方法を実際に教えられている人は誰もいないと述べています。
「それで、私たちは友達を通して人間関係について学びます。それは時々大丈夫で、しばしば貧しいです。私たちはメディアから学びますが、それはそれほど素晴らしいことではありません」
とテンプル博士は言います。
最終的に、私たちのほとんどは試行錯誤を通して人間関係について学びます。テンプルが研究しているようなプログラムは、10代の若者に健康で幸せな関係を築くように教えることができます。
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