今回は眩暈に対する手技について
皆さんは眩暈に悩んだりしていますか?
眩暈がある、という人は少ないのかもしれないのですが、ある人からすれば急な動きなど困ることが多いと伺います。
眩暈に対処する方法の中に、理学療法による手技がありました。
手技を取り扱う人にとっては、キチンと練習すれば対処として行える方法になりますので、方法自体が効果があるのか証明している研究を紹介します。
研究の内容
この研究は、良性発作性頭位めまいに対して行われたものになります。
良性発作性頭位めまいの原因として、頭部外傷によるものか耳の感染症が代表的なものとして挙げられています。
研究は、
11件の試験、745人を対象に行われました。・エプリー操作と偽操作の比較
・他の粒子再配置操作(Semont、Brandt-DaroffおよびGans)
・対照群(治療なし、投薬のみ、姿勢制限)
対象年齢は18~90歳、男女比は1:1.5でした。
対象年齢は18~90歳、男女比は1:1.5でした。
結論として、
エプリー操作と偽操作については、症状の改善が見られた割合が21→56%に増加。エプリー操作による症状改善が有意に見られたとのこと。
他の粒子再配置操作についてはめまいの解消の報告がありません。
対照群については、Dix-Hallpike試験にて評価。
他の粒子再配置操作についてはめまいの解消の報告がありません。
対照群については、Dix-Hallpike試験にて評価。
※患者の頭位を特定方向へ向かせ眼振を確認する評価法。
対照群とエプリー操作を比較した場合、エプリー操作を支持する有意な結果となっていました。
対照群とエプリー操作を比較した場合、エプリー操作を支持する有意な結果となっていました。
有害作用の報告に関しては重大な報告はされていませんが、一部の患者は手技に耐えれないという声があるため、実践する際は注意しなければなりません。
まとめ
エプリー法による手技で、"良性発作性頭位眩暈"に対しては症状が軽減することがわかった研究結果となっています。
この手技自体はネット検索でも出てくる方法なので、覚えたい人は検索してみてください。
適応していれば効果はあるようですが、上述にも書かれている注意事項には気をつけなければなりません。
そして、眩暈系で耳にするメニエール病などの他の原因による症状に対して有用なのかはわかりません。
眩暈のある人すべてに、この研究によるエビデンスがある、と言わないようにご注意を。
ヒルトンMP、Pinder DK。良性発作性頭位めまいに対するEpley(canalith repositioning)手技 系統的レビューのコクランデータベース2014、第12号。番号:CD003162。DOI:10.1002 / 14651858.CD003162.pub3。