今回は情報の発信の仕方について
皆さんは自ら情報を発信する際に、ポジティブに伝えますか?それともネガティブに伝えますか?
表現の仕方によっては、同様の意味を持つものでも受け取り方や、気になり方も変わってくると言われています。
心理学上では、ネガティブな物言いの方が拡散されやすい、といったことも言われていますが、これは不安に漬け込んだものとして考えられています。
実際にはどうなのか?ということを調査している研究がありますので、ポジティブに伝えるべきなのかネガティブに伝えるべきなのかで悩んだ時には参考にしてみてください。
研究の内容
研究者らは、16,342人の参加者(健康関連商品の消費者)を含む35の研究を含み、51の比較を報告していました。
属性フレーミングによる文脈では、ある参加研究の参加者は、肯定的にフレーミングされたときよりも否定的にフレーミングされたときのほうがメッセージを理解しやすいという傾向にあったようです。
ポジティブフレームメッセージはネガフレームメッセージよりも効果的であると認識しているかもしれませんが、ほとんど違いはありませんでした。
説得力と行動にも違いは見られません。
ゴールフレーミングによる文脈では、メッセージをスクリーニングするためのメッセージを得ることと比較して、損失メッセージは有効性の、より積極的な認識をもたらしました。
そして、治療メッセージについて、より説得力があるかもしれません。
しかし、行動にはほとんどまたは全く違いはありませんでした。
Akl EA、Oxman AD、Herrin J、Vist GE、Terrenato I、Sperati F、Costiniuk C、Blank D、健康情報メッセージのフレーミング。系統的レビューのコクランデータベース2011年第12号。番号:CD006777。DOI:10.1002 / 14651858.CD006777.pub2。
結論
結果的にはポジティブ、ネガティブメッセージで伝えても説得力や行動、理解力に影響を与えるという確たる根拠はこの研究からでは得ることができなかったようです。
ゴールフレーミングとは、「治療をこのように薦めたいけどどのように表現すれば?」
という時に表現するフレーズと思って頂いても大体当っているはずです。
まとめ
理解や行動、説得に関してもメッセージによるポジ・ネガによるフレーズやゴールフレーミングなども影響があるとは言い切れない結果であったとされていました。
あまり考えない人にとっては、不安だけを煽ったフレーズが効くのかもしれませんが、そういった人は他の人に意見を聞いたりして簡単に意見を覆します。
医療従事者でも、売り上げなどを上げるために接客方法を学ぶことがあるようですが、言い方で伝わり方が変わる、ということは納得が出来た分、疑問もありました。
人から言われることに対して、自分の意見に合うか合わないかで考える人にとっては、こういったフレーズによる伝わり方は変化しそうにも思えますが、言われたことに対してしっかりと考察する場合はこういった結果になるのかもしれません。
伝える側としては、ポジ・ネガの意見を両方とも伝えることが望ましいのかもしれません。
例として、この腰痛に対する治療法は他の治療法と比較して、疼痛の軽減に対する期待はありますが、時間を要することがデメリットとなってます、のような。