今回は問題のあるFacebookの使い方について
皆さんはFacebookを使っていますか?
SNSの1つであるFacebookですが、特性として個人情報で登録されるため、個人間での繋がりを重要視したツールでもあり、匿名性の低さから、"個人"同士での交流を求める人にとっては使いやすいSNSなのかもしれません。
私自身は、これを殆ど使っていなくて、使うタイミングとしてこのブログの記事を拡散する時と、取引先の相手を調査するために使うぐらいです。
そんなSNSは上手く使えば、離れたところに住んでいる人も仲良くなれるツールであり、社会的な孤独を解消するために役に立ちます。
しかし、問題のある使い方をしてしまうと感情的な孤独感を増長したり、自らの情報を無無駄に開示し過ぎたりすることでトラブルになることもあります。
そういったことに関する研究で、どういった使い方をすると問題になるのか?ということを紹介します。
研究の内容
ソーシャルネットワーキングサイト(SNS)の使用に関連するポジティブおよびネガティブな心理的結果については以前から報告されており、Facebookの使い方によってうつ病や自尊心の低さと関連付ける結果が出ています。
この研究の目的は、関心のある予測変数として成人の愛着スタイルを使用して、問題のあるFacebookの使用の理論モデルをテストすることでした。
成人のFacebookユーザー(n = 717)を対象とし、問題のあるFacebookの使用方法の測定を行いました。
・社会的比較
・自己開示
・印象管理
・侵入的なFacebookの使用など。
得られたデータは、階層型重回帰分析とメディエーション分析を使用して分析されました。
結果として、愛着不安の問題と、Facebook使用のすべての側面が予測され、愛着回避が印象管理と侵入的なFacebook使用の社会的影響を及ぼすことを示しました。
さらなる分析結果により、これらの関係に対する心理的苦痛と自尊心への影響が確認されました。
考察
Facebookの使い方として問題とされる行為は、
・無為にプライベートを公開し注目を浴びる。
・話題作りのために自らを偽る。
といったことが挙げられました。
前項にもあった愛着スタイルで回避型の人には、これらの問題行動を起こしやすい傾向があったということもわかっています。
愛着の心理学によれば、回避型の人の傾向として、他者と精神的な距離を置いているため自分のことに集中し、自立しているように見せかけるという特徴があります。
こうした愛着スタイルの人は、他人が取り乱したり、別れたい、離れたいと言っても気に掛けるそぶりも見せずに離れていくそうです。
Facebookはそういったスタイルの人にとっては好都合になる場でもあるため、自らのプライベートを晒し、自立していることをアピールすることで注目を浴び、孤独感を紛らわす欲求を満たすためにFacebookの使用にのめり込んでいきます。
注目されたいがために、日頃行わないような行為などを捏造し、写真も加工し虚像を作り自らを偽っていく可能性もあります。
さらに、SNSに熱中するがあまりに、自身のコミュニティもネット上にあるものが中心となり、身近な人と疎遠になることも懸念されていることの1つです。
これらの行為や考えが、自尊心の低下を招き、心理的な苦痛を受けやすくなっていき、精神疾患を患う可能性があるということがわかった研究となりました。
まとめ
Facebookの間違った使い方と、そう使ってしまいやすいタイプの人が示唆された結果となりました。
こういったことにならないためには、Facebookを通じてコミュニティを作り、現実的なコミュニティに発展し、交流していくことが1つの形なのかもしれません。
SNSから得られる幸福感などのメリットは短期的なものであるため、欲求を満たすには不十分なツールでもあります。
Flynn S, Noone C, Sarma KM. An exploration of the link between adult attachment and problematic Facebook use. BMC Psychol. 2018;6(1):34. Published 2018 Aug 10. doi:10.1186/s40359-018-0245-0