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This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

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慢性腰痛を治療するなら週2日の理学療法で良い理由とは?

Friday, March 5, 2021

理学療法




 今回は慢性腰痛の治療頻度について

慢性的な腰痛を患っている人は少なくはなく、何かしらの方法で腰痛による苦痛を軽減するために努力する人たちがいます。

私ら柔道整復師も慢性的な腰痛で困る人たちに対処しなければならないことは出てきますが、介入頻度については患者頼りなものになり、明確な指標はわかっていません。

そういった疑問に対するヒントとして、慢性的な腰痛に対する理学療法の介入頻度を調査している研究がありましたので紹介します。

研究の内容

研究は慢性的な機械的腰痛患者の痛み、うつ病、および機能障害に対する理学療法のモダリティが週5日対週2回、3日間隔で効果を評価することを目的としたものになります。

慢性的な腰痛を伴う計60人の患者を対象とし、2つのグループに分けられ実験されました。

グループ1(n = 30)は週5日、合計15回のセッションで理学療法を受け、グループ2(n = 30)は週2回、3日間隔で理学療法を受けました。

すべての患者は、
・ホットパックを20分間
・経皮的電気神経刺激(TENS)を20分間
・超音波治療(US)を10分間

という介入内容となりました。

さらに、すべての患者は運動トレーニングを受け、理学療法セッションの完了後4週間まで1日2回行うように指示されました。

腰痛の重症度は、視覚的アナログ尺度(VAS)を使用して評価され、うつ病の重症度はベックうつ病目録(BDI)を使用して評価され、機能障害はODIを使用して評価されました。

すべての患者は理学療法の前後と4週間で評価され、結果はグループ間で比較されました。


無作為化の時点では年齢、性別、肥満度指数、職業、VAS、BDI、およびODIスコアに統計的に有意な差はありませんでした。

グループ内分析では、理学療法後のすべてのパラメーターが治療前の値と比較して、また治療後の値と比較して4週間で有意な改善が見られました。

変化の違いはグループ間分析に使用され、改善を支持する変化の違いはグループ1よりもグループ2で有意に高いものになっています。

治療後の値と4週間後の値の間に有意差はありませんでした。


考察

結果としては、グループ2の週2回ペースが改善に有意的であったことがわかりました。

疼痛に関しては両群ともに良い調子で減少傾向となっていたようですが、心理的な面や機能的な面では間欠的に介入される方が良いということになりました。

他の研究でも似たような結果があることから、この現象については以下のように考えられております。

何らかの理学療法による介入は身体的、精神的にみると外因性のストレスであり、ストレスが掛かる頻度によって身体が回復する速度などにより前述のような結果になったのではないか?ということだそうです。

人間の恒常性から、外からストレスが加わると、体の反応としてはストレスに対して活性化し、恒常性を保とうとします。

この現象の際に体内ホルモンなどが関与してきますが、それらの調整に関わってくるのが介入頻度であり、より望ましい結果になったのが間欠的な頻度であったということでした。


まとめ

慢性的な腰痛に対しては、週5日でも2日でも改善傾向はみられますが、より大きな改善を望めるのは週2日の介入である可能性があります。

自分はそうでないとダメなんだ、と強く思い込みのある人を除いて利用頻度を悩んでいる人は、週2日の利用を検討されてみてください。

その方が支出も抑えられることから、非常に望ましいかと。


Altınbilek T, Murat S. A comparison of application frequency of physical therapy modalities in patients with chronic mechanical low back pain. Turk J Phys Med Rehabil. 2020;66(2):201-209. Published 2020 May 18. doi:10.5606/tftrd.2020.4192

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