KeiS a medical professional

This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

sponsorlink

“YES it’s the Perfect Time to Quit”: Fueling Tobacco Cessation in India during COVID-19 Pandemic【コロナ禍だから禁煙しよう】

Wednesday, February 17, 2021

感染症



 今回はCOVID-19とたばこの禁止について

COVID-19の感染拡大が求められる中で、人は煙草を吸います。

煙草は健康を害する要因として知られており、さらにCOVID-19感染後の症状に影響してくることが知られているのに関わらずに吸い続けている人がいます。

煙草を吸うことはストレス解消の手段でもなければ、健康を増進するものでもなく、自身と周囲に対して影響を及ぼすものと知りながらものです。

そんな中で喫煙に関してある運動が行われていたことを知りましたので、記載されているレビューの概要を紹介します。

インドで行われた活動


インドでは70万人以上のCOVID-19に関する症例があり、56,000人以上の死者を出しています。(2020年8月23日時点で)

インド国内での感染率は徐々に増加しており、世界的に見ても最も影響を受けている国の1つになっています。

感染拡大を防止するために、インド政府は3月24日に最初の21日間のロックダウンを実施し、その後さらに5月31日まで延長されました。

その後、全国的な漸進的な活動の段階的再開が行われていました。

COVID-19管理に関する国家指令では、予防措置として、封鎖中のアルコールおよびあらゆる形態のタバコの販売を完全に禁止しました。


これにより、2億6700万人以上がタバコの使用を控えたというデータがあります。(人口の28.6%)


指令は、公共の場所での唾吐きを罰せられる犯罪として宣言し禁止しており、インド医学研究評議会もまた、公の訴えを通じてこの取り組みを支援していました。


喫煙する機会を無くしたことは、既存の喫煙者にとって良い機会があると考えられています。

インド国内の2016年世界成人たばこ調査(GATS-2)は、55%近くの喫煙者と50%のSLTユーザーが禁煙を計画、または考えていると報告しています。

喫煙者たちは40日以上、タバコなしで生活することを余儀なくされ、喫煙すること自体が一般的であった社会的コミュニティから隔離されたこともあり、喫煙することに熱心な人は禁煙しやすいと思われます。

さらに、今回のパンデミックにより、青年および若年成人の喫煙を始める人がある程度低下する期待がされています。 

COVID-19のパンデミックにより、禁煙への取り組みを促進させ、国からたばこの習慣を永久に無くす可能性があるため、大きな努力が必要であると考えられています。


そのためには、メンタルヘルスサポートと禁煙サポートを「必須サービス」として指定し、遠隔相談/遠隔医療施設を強化、カスタマイズされたインターネットベースおよびアプリベース(Aarogya Setu)の介入を利用する、、ニコチン置換療法(NRT)製品への助成などの措置を実施することが望まれています


また、強化されていく禁煙活動は、非COVID-19とは関連のない健康状態の悪化の減少に貢献し、社会的閉鎖の間接的であり、有益な効果として証明される可能性があります。


これに加えて、証拠に基づいた禁煙アドバイスは、専門的な詳細とともにマスメディアを介して広められるべきです。


 mHealth介入の実施が成功すれば、国内の併存疾患の負担をさらに軽減することができます。


著名人などからは、そのようなメッセージを配信し、喫煙をやめ続けるような動機付けをすることができます。


このような介入は、結核やポリオなど、インドの他の疾病管理プログラムで重要な役割を果たしてきました。


さらに、認められた医療機関の専門家は、能力開発演習やオンライントレーニングセッションを実施できます。


一般的な人口モデルとして、そのような活動は禁煙に有益であることが証明されるでしょう。


しかし、メンタルヘルス患者、高齢者、麻薬やアルコール中毒者など、非接触、移動の制限、ヘルスリテラシーのレベルの低下により、このパンデミック中の脆弱な集団にとって効果的な禁煙は困難であることを認識しておく必要があります。


煙草の販売停止努力の持続を確保するために、SLT製品の販売の新たに課された禁止と国内での強化された唾吐き防止施策が無期限に継続されることが望まれます。


また、一般小売販売からたばこを排除し、認可ベンダーシステムの実装を戦略化する絶好の機会であり、「安心」の重要性を認識しなければなりません。


人々はストレスの多い時期がすぐに終わることを確信し、ストレスや不安を軽減する方法を探していかなければならない課題もあります。


Grover S, Mohanty V, Jain S, Anand T, Aghi MB. "YES it's the Perfect Time to Quit": Fueling Tobacco Cessation in India during COVID-19 Pandemic. Tob Use Insights. 2020;13:1179173X20960447. Published 2020 Sep 25. doi:10.1177/1179173X20960447


感想 

この論文は資金提供などなされていないことから、著者の強いメッセージを感じながら読んでみました。

感想として、禁煙活動が広まり続け、継続していけば良いと思います。

何の利益もなく、一時的な快楽で行われる喫煙は、個人のリテラシーによっては周囲に迷惑をかけることしかしません。

昨今では、分煙の活動が盛んになり、喫煙する人たちは場所を無くしていっていますし、販売価格自体も値上がりしていっているため止めると判断する人は増えていっていると思います。

しかし、喫煙スペースとは関係のない路上で副流煙を垂れ流したりとリテラシーのない人の影響から、喫煙「者」に対する良くないイメージを持たれることも多いです。


吸いたければ吸えばいいけど迷惑はかけないでくれ、と考えていますし、環境問題などから副流煙だけの影響で健康に害が起きるとは考え難いです。


恐らく、日本では喫煙に対して完全に無くす、ということは多様な視点から難しいのでしょうが、今回のパンデミックをきっかけに人の意識に働きかけてもらえれば良いのかと思われます。


それでもメディアなどで、喫煙に関するリスクを提示する頻度の少なさから、禁煙への注目度は低いのが残念です。


というわけで、いい論文だなぁと思ったので紹介しました。

QooQ