今回は医療機関選びについて
皆さんは病院などを受診する際は何を参考にしますか?
ネットや口コミサイトなど、昨今では多種にわたる情報を得ることができますが、それらから判断することも難しい側面もあります。
そんな医療機関選びについて、患者は何を参考にして受診しているのかを調べている研究がありましたので紹介します。
研究の内容
医師評価Webサイト(PRW)は、情報の透明感をもたらしながら、公に医師に関する情報を告知するように設計されています。
この研究では、PRWが患者が整形外科医を選択する際に、与える影響を特定すると同時に、さまざまな人口統計学的特性によって患者の医師の好みを層別化することを目的としている研究です。
郊外にあるの外来がある整形外科の院で調査されたものになります。
予約を提示した18~89歳までのすべての患者が参加するように求められました。
調査の質問は、患者の人口統計と、患者が外科医を選択するために使用した情報源を特定することを目的としています。
調査の結果として、104人の患者を対象とし、調査を完了していました。
調査対象は主に51~70歳(50.0%)で、女性(60.6%)、白人(84.6%)だったようです。
122人の患者(98.1%)が、医師の評判が重要であると回答しました。
75人の患者(72.1%)は、医師の紹介によって外科医のことを聞いたと報告しましたが、オンライン検索エンジンを使用したのは2人(1.9%)だけでした。
66人の患者(63.5%)は、医師の紹介が最も信頼できると述べています。
外科医を選ぶためにPRWを使用したのは10人の患者(9.6%)だけで、そのほとんどは50歳未満でした。
著者の結論
デジタル情報交換プラットフォームの増加にもかかわらず、PRWは、郊外の整形外科の手の患者が、手の外科医に関する情報を交換したり、選択したりするために一般的に使用されることはありません。患者は依然として主に医師の紹介と家族や友人からの口コミに頼って外科医を選びます。
まとめ
医療従事者視点としては、患者増加のために○○ってサイトを使って口コミを集めませんか?的なところを利用するのは費用対効果に期待が持てないということ。
患者視点としては、わからなくもない話で、なんだかんだで知り合いの紹介の病院や、病院からの紹介状で利用していることも多いので、この結果も納得。
しかし、この研究では口コミによる受診が多い理由の中に年齢層が関与していることが検討されており、対象となった若年者ではwebサイトを閲覧していることもわかっています。
そのことから、今後数年で、今回のような結果は覆る可能性はあるということ。
だから今からweb対策をしっかりと行いましょう!といえど、少子高齢化の影響もあるため、安直に即答は出来ません。
こういったwebサービスを活用する医療従事者は、効果測定を適切に行い、実施の継続や検討をするべきかと。
Malige A, Matullo KS. The Influence of Physician-Rating Websites on Patient Physician Preference. Clin Orthop Surg. 2020;12(2):238-244. doi:10.4055/cios19103