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Male versus female skin: What dermatologists and cosmeticians should know【男女の肌質の違い】

Sunday, February 21, 2021

皮膚



 今回は男女の肌について

スキンケアを始めると、色々な考えが美肌への道を迷わせることになります。

昨今では、男女共にスキンケアを行うようになってきたため、求められるのは男女の肌に関する知識となってきます。

皮膚に悩みを持つ私も興味深い内容の研究がありましたので、勉強しながら紹介していきます。


概要

皮膚は、体内で最大の多機能器官です。

紫外線を吸収し、微生物の侵入や化学物質の侵入を防ぐことにより、物理的な保護バリアとして機能しています。

また、皮膚は水と電解質の通過を制御し、免疫学的、感覚的、自律神経機能に加えて、体の体温調節において主要な役割を果たしています。


皮膚の生理学的、化学的、生物物理学的特性を理解することは、皮膚病の管理のための適切なアプローチを行うために役立ちます。

但し、皮膚に対する遺伝的および環境的要因の影響も考慮することが重要となってきます。


紹介する研究では、男性と女性の体のさまざまな部分の皮膚パラメータを別々に評価しました。

性別に関連する皮膚の違いに関する知識は、より適切な皮膚科治療、美容的介入、製品の開発に役立つ可能性があるからです。


角質層の水分量

角質層(SC)の水分補給は、表皮の増殖、分化、炎症の調節など、皮膚機能に重要な役割を果たします。

 男性と女性の肌の間で、肌の水分補給を比較した研究の結果は以下のものとなります。


・皮膚の乾燥の水分補給を改善する可能性が高いのは、天然ミネラルウォーターの補給。

日光によって乾燥しやすかったのは、男女共に額と手背。

高齢女性だと顕著に見られました。


角質層の水分保持率は若い男性の方が高いが、40歳から時間の経過と共に減少傾向に。

女性では生涯に渡って維持できているとのこと。


額が乾燥しやすいなどの結果もあるが、前腕と額を比較しても有意差はない。


・皮膚科医が経表皮水分喪失(TEWL)、皮膚の水分補給、皮脂分泌、細い線/粗さ、メラニン/紅斑、​​温度、色、および臨床的に等級付けされた参加者の皮膚を測定したところ、女性参加者の方が有意に水分保持出来ていることを発見した。



経表皮水分喪失

経表皮水分喪失(TEWL)とは、皮膚の水分バリア機能を評価するために使用されているものです。


・研究では、男女で等しいTEWLであると報告されました。

但し、50歳未満の参加者では、体表の場所に関係なく、男性方が有意に低いことが示されました。


・蒸発測定結果によると、男女共に前腕を除くすべての箇所で、年齢を重ねるにつれて減少していました。

但し、50〜60歳の参加者だと、男性の額、頬、首のTEWLは、同じ年齢の女性よりも高かった。


皮脂

男性と女性の皮膚の皮脂を比較した研究の結果では、皮脂生産は男女の皮膚で等しいと報告されました。

但し、女性の被験者で高い皮脂レベルを持っていた額を除いて、顔の異なる部分の男性の被験者でより高い皮脂レベルを発見しました。


皮脂含有量においては、男性は額以外は比較的安定しており、額は年齢と共に増加する、比較して女性は、全体で年齢と共に徐々に減少していたことがわかりました。

男性は皮脂産生が高く、毛穴のサイズが大きいという報告もあります。

研究によると、単純な機器測定を行った結果、男性の肌には2つの特徴がありました。
バリア機能の低下と、べたつき感による適切なスキンケアレジメンの欠如です。

性別による皮脂分泌の比較では、女性参加者の皮膚は顔と襟ぐりの油分が少なかったことがわかりました。


皮膚の厚み

皮膚コラーゲンは年齢とともに減少し、すべての年齢の女性被験者で少ないと結論付けられた研究があります。


研究によれば、男性の皮膚の厚さの減少は20歳から始まりますが、女性だと約50歳まで一定であり、その時点で皮膚の厚さが減少し始めることを示していました。


要因として、加齢に伴う皮膚の菲薄化は、コラーゲンの喪失であることが結論付けられていました。


皮膚の厚さの減少と、ヒドロキシルプロリンの喪失は、閉経に関連するホルモンの不均衡の結果であることが示唆されています。


in vivoで光コヒーレンストモグラフィーイメージングを使用し、日中および日中の再現性測定を実行して、83人の被験者を研究したものによれば、表皮の厚さは、男性よりも年配の女性の方が有意に薄い額の皮膚を除いて、男性と女性の間で有意差がなかったことが示されました。


pHの違い

ある研究では、男性の皮膚のpHが低いと報告されていましたが、別の研究では性差がないと示されました。


部分的な違いでは、pHは両性の頬で最も高く、女性の額と男性の手は最も低い値となっていました。


年齢に関しては、pH値の増加傾向は男性でのみ見られました。


このことから、性ホルモンは皮膚表面のpHに影響を及ぼさないと認められることになりますが、単一の研究によると、多種の美容習慣に起因するpHの僅かな性差が起きることが報告されています。


女性では、出生後、最初の1週間でpHの急激な低下が観察され、次の3週間で徐々に低下することが測定されました。


弾力性

皮膚の弾力性は、男性よりも女性の方が高かったと報告がありました。

但し、その差は統計的に有意ではありません。


別の研究では、弾性変形は女性の被験者でより高かったが、腹部の皮膚でのみであったと報告しました。

皮膚のこわばりも女性の参加者で高かったが、その差は腹部の皮膚でのみ有意であったとのこと。


シワ

173人を対象にした研究によれば、男性は女性と比較して額のしわの増加を示したと報告しました。

上瞼のしわには性別による違いは見られず、他の部位では、男性よりも女性のほうでしわが大きいという結果もありました。


60歳未満の被験者における日光曝露の性関連の違いを調査したものによれば、女性の日光曝露のレベルが低いとしわが少なくなる可能性があることを示唆しました。

性別による細線の比較研究では、女性参加者の肌がより滑らかであることが示されました。



まとめ

男女の肌の違いは、

・皮脂は男性の方が多くなりがち
・男性の方が下瞼の色素沈着と厚みが高いため、顔のたるみが目立つ。

それ以外では大きな違いは見られないという研究結果となっていました。


ここに日常生活の違いや文化の違い、食生活の違いなどである程度結論は左右されますが、これらの研究はアジア圏の国々で行われたものが殆どでしたので、参考にはなるはずです。


これからわかるのは、男性の方がスキンケア必要じゃね?ってことだと。

Rahrovan S, Fanian F, Mehryan P, Humbert P, Firooz A. Male versus female skin: What dermatologists and cosmeticians should know. Int J Womens Dermatol. 2018;4(3):122-130. Published 2018 Jun 22. doi:10.1016/j.ijwd.2018.03.002

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