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Allergic contact dermatitis masquerading as atopic dermatitis【アトピー性皮膚炎とアレルギー性皮膚炎の症例】

Sunday, February 21, 2021

皮膚



 今回は皮膚疾患の症例について

私の資格上は専門外の分野にもなる皮膚科なのですが、必要な整復や処置を行うために皮膚疾患のことを勉強する必要はあります。

症例などから勉強する方が役立つことが多かったので、こういった記事を通して勉強をしています。

紹介する症例では、アトピー性皮膚炎だと思われたいものが、アレルギー性接触皮膚炎だったというものです。

症例

・50歳の女性

アトピー性皮膚炎による発赤のため来院。

・子供の頃、手に発症し、痛みを伴うびらん、時には出血を引き起こしていました。
・局所コルチコステロイドによる投薬治療の経験

40歳のとき、患部は足を含むように広がり、重度のそう痒症とびらんを引き起こしました。

経口抗ヒスタミン薬、経口プレドニゾン、筋肉内トリアムシノロン、およびオマリズマブ注射による治療介入が行われましたが、持続的な改善を齎すことはありませんでした。


生検の結果、ムチン、好酸球を伴う海綿性皮膚炎、およびいくつかの毛包の海綿症が起きていることを明らかにしました。


顔面および下肢の皮膚炎の除去は、40mgから始まる2週間の経口プレドニゾンテーパーおよび局所デソキシメタゾン軟膏により改善されました。


北米の接触皮膚炎グループ標準シリーズ、および外部薬剤、乳化剤に対するパッチテストにより、ペルーバルサム、メチルクロロイソチアゾリノン/メチルイソチアゾリノンに対する2+反応が明らかになりました。


これらのアレルゲンのそれぞれは、彼女が使用しているパーソナルケア製品に関連していました。

・ヨードプロピニルブチルカルバメート

・プロポリス

・グルタルアルデヒド


アレルゲンを回避し始めてから2か月後、劇的な改善を示しました。


顔と足の皮膚炎を完全に取り除かれ、3年後には顔に問題はなく、局所治療を使用しなくとも良くなりました。



POINT

アレルギー性接触皮膚炎(ACD)の診断は、臨床的に適切な特徴がないために、長期間見逃されることがあります。

小児期にアトピー性皮膚炎(AD)と診断された人は、ACDとADの臨床症状が重複しているため、ACDの診断が遅れる可能性が高くあります


ADの治療が上手くいかない人の場合、根底となるACDを疑う必要があります。


しかし、ADの患者は「扱いにくい」、「治療抵抗性」のある状態だと思いこまれることもあります。


ADとACDは、臨床的に類似しているようにも見えますが、外因性物質と接触する明確な分布、ADの非定型分布、治療抵抗性の職業性手湿疹、青年期または成人発症のADなど、特定の重要な要因がACDを強く示唆していることがあります。

重度または広範囲の皮膚炎を伴う場合など、パッチテストによる診断テストは重要となってくることもあります。


ADとACDを併せ持つ人は、乳化剤/界面活性剤、香料カテゴリーのアレルゲンが感作の主な原因となっています。


さらに、患者が炎症を起こす以前に同じ製品を何年も使用したとしても、その製品は依然として成人発症のACDを引き起こす可能性があります。


ACDを示唆する機能を備えたパッチテストの個人は、より微妙な状況を明らかにする可能性があります。


まとめ

アトピー性皮膚炎の根底には、アレルギー性接触皮膚炎の可能性もある、ということがわかった症例となります。

どちらの症状にしても、患部に直接アプローチすることは柔道整復師業界ではNGですが、事前の問診を疎かにしていたり、引継ぎを適切に出来ていない場合はやらかしてしまうことがあります。

そういった部分にも明るくなることで、医療従事者として対応できる幅が広がるとも思いますので、しばらくこのジャンルを調べてみようと思いました。


Semaan S, Raffi J, Murase JE. Allergic contact dermatitis masquerading as atopic dermatitis. Int J Womens Dermatol. 2020;6(4):329-330. Published 2020 Apr 18. doi:10.1016/j.ijwd.2020.04.005

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