今回はアスレティックトレーナーと費用対効果について
公認スポーツ指導者制度に基づき、JSPO公認スポーツドクター及び公認コーチとの緊密な協力のもとに、競技者の健康管理、外傷・障害予防、スポーツ外傷・障害の救急処置、アスレティックリハビリテーション、体力トレーニング及びコンディショニング等にあたる。
公益財団法人 日本スポーツ協会より
といったことを行うことが出来る資格となります。
スポーツ現場で、トレーナー活動をしている人間や、整骨院でスポーツ障害のケアをしてもらった人が憧れてとる資格で、スポーツ現場でトリートメントなどを行うために取る資格でもあるようです。
資格至上主義と考える人が多い日本では、この資格は人気があり、柔道整復師や鍼灸師、理学療法士などの資格を持つ人がさらに受講するということも少なくはありません。
紹介する論文では、アスレティックトレーナー(AT)を高校に配置することで、医療費などの節約になるのか?ということについて調査しているものがありました。
日本では、少子化の影響から学校数も減ってきており、狭き門となる上述のことがどういった費用対効果を生んでいるのか?ということで、今から資格を取る人、ATを雇おうか考えている人にとって参考になるかと思われます。
研究の内容
高校でATを雇うと、怪我のリスクを減らし、公的機関や民間で受ける医療に掛かる費用を下げる、専門機関への紹介が増えるため医療費を増やすことがあります。
医学的主張の分析に基づいた高校でATを実際する経済的効果に関する証拠は不足しているため、それを調査したものとなります。
オレゴン州保健局のAllPayer All Claimsデータベースから2011〜2014年の限定データセットを分析しました。
対応のあるt検定を使用して、オレゴン州の高校でATを採用している期間と採用していない期間の請求支払いを比較しました。
また、ATへの投資を調整するために、ATの取り組みの割合を使用しました。
主な結果の尺度は、高校でのATの採用に関連する投資収益率でした。
オレゴン州の高校にATが在籍することは、メディケイドと商業保険の医療費に異なる影響を及ぼした可能性があります。
2011年から2014年にかけてオレゴン州の公立高校でATを雇うために投資され、メディケイドの支払いは月額24セント増加し、商業保険の支払いは統計的に有意ではありませんでしたが24セント減少していました。
結果から、高校のアウトリーチモデルでATを採用しても、必ずしもメディケイドや民間保険会社の医療費を節約できるとは限りません。
研究におけるコスト削減の欠如が雇用モデルの要因であったのか、医療利用の増加に起因したのか、またはATがより多くのオンサイトATサービスを提供する必要性を反映したのかを判断するには、さらなる研究が必要となります。
考察
まとめ
Li T, Norcross MF, Johnson ST, Koester MC. Cost-Benefit of Hiring Athletic Trainers in Oregon High Schools From 2011-2014. J Athl Train. 2019;54(2):165-169. doi:10.4085/1062-6050-390-17