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規範に従順に振舞う見返りはみんなに好かれること。自己同一性の心理学について

Tuesday, February 9, 2021

心理学



 今回は自己同一性の心理学について


自分は何者で、世界とどのような関わりを持っているのか?

そういった事柄を理解することは、自己同一性(アイデンティティ)を形成し、その人となりを表します。


これに沿った事柄は多方面で見かけることができ、多くの人の悩みや自信の裏付けとなっていることもあります。

これに迷った人たちは、自己啓発という名のセミナーや書籍など、情報商材と呼ばれる商品に投資をし、アイデンティティを形成していきます。


では、心理学的にアイデンティティを形成する一端を担う要素を解説していきます。


個人のアイデンティティを形成する要素


人の自己認識の一部は、所属する○○によって成る。

所属するのは、集団や社会など。


これらに所属することは、信念や価値観を見出し、強化し、承認を与え、自尊心を高めることになります。


規範

文化的・社会的規範を遵守するかどうかによって、その人柄が判断される。

規範に従順に振舞うことの見返りは、自分以外の他人に好かれることにある、と考えられています。


政治

1つの政党への所属は、人の共同体意識を反映し、個人的な価値観や信念を表明するために行われる。


文化

人を取り巻く文化は、イメージ、価値観、信念、社会的規範などを通して、個人のアイデンティティを形成する。

これらを通さない文化は、主流たるなり得ないと考えられている。


階級

ある階級に属すること、除外されるという社会的分類が人のアイデンティティを形成する。


年齢

人から見られるイメージは、「年齢層」という括りで自身に反映されている。
※若者=未熟 みたいな。



役割

人の前で演じられる役割は、自己意識の形成に大きく影響する。
(○○の子供、○○の兄弟、専門家、夫、妻、○○部のキャプテンなど)


家族

家族で形成される価値観や社会的繋がりなどは、子供に受け継がれる遺伝的アイデンティティを形成する。

その繋がりを踏まえた役割を担っていくのが子供である。


SNS

仮想空間にて、自身が持つ関心や信念などを共有できる人と繋がり合うことが可能になったテクノロジー。


性別

性別は、自身の在り方や他人との関係、社会の中での立ち位置が左右されるものである。


価値観

親から子へ価値観は受け継がれ、その子は社会に出て、家族以外の価値観を受け入れていくこともある。


仕事

職場や同僚によって、人の地位や自尊心、関心、選択の仕方が決定されることがあります。



仲間

仲間によって作られた集団は、価値観やアイデンティティを形成に重要な役割がある。

特に仲間集団によって得られる価値観や自己同一性は、青年期に強く影響される。



地位

社会的・経済的に得られる地位は、自分がどのような人物か、他人からみられたときの自分などの認識に影響されています。



地域

出身地や自分で選んで住んでいる場所が、アイデンティティに何らかの特質を加える。



社会化

人は、自分を理解するために、友人や社会的な集団との関係を用いる。

そして、友人や集団内で同じ考え方や関心が共有されることもある。



サブカルチャー

既存する社会や文化とは別に、支配的なものとは異なる独自の価値観や文化的スタイルで、自分と集団を重ねる。

そういったことは、1つの自己規定の在り方ともいえる。



趣味

同じ関心を持つ人の集団に所属することは、自尊心やアイデンティティが育まれる。


信仰

同じ信仰の集団に所属することは、自己の文化的・社会的アイデンティティの形成や、個人的信念の体型を形成する。


教育

教育の方法や場所、水準など個人が受けてきたものは、アイデンティティや価値観の形成の基礎的な部分に影響します。



アイデンティティは発達する

個性化は幼年期に始まり、青年期に自己意識や世界への関わり方を模索し、成人後も進展し続けます。

例えますと、幼少期は自己が行うことに試しては失敗し続けていきますが、小学校に通う頃になると自分と他人を比べる意識が高まっていきます。

そして、中・高校生ぐらいになると、自分を確立するために何かに挑戦し始めたり、努力を重ねるようになってきます。

成人してからは広い社会に出た、という感覚が孤独感を覚え、自分にふさわしい相手を探すことに集中します。

そして、成熟し始めると、以前よりも大きな社会に貢献することに関心を持ちますが、それらが為すことは困難であるため、無力感を覚えることもあります。

最後に、老年期あたりになると、それまでの人生を振り返り、到達できなかった事柄などを思い返し絶望し、抑うつ状態となることもあります。



これらのことから、どの世代にも心理的・社会的危機が起きており、どうやって危機を乗り越えてきているかが「成長」の獲得となります。


まとめ


自分とは何者なのか?という意味をもつ自己同一性について、心理学ではこれらのことから形成され、発達していく、という話になりました。

自分を探す、ということは人として生きている限り、大きな悩みの1つであり、最終的な自己実現という目標に達するために必要な悩みでもあります。


これらから感じたこととして、自己同一性を形成するきっかけとなる要因がこれだけの種類あるということは、人の多様性はより複雑であると考えさせられました。

その複雑さからは、人同士の理解が難しい場面もあり、嫌悪や差別などに結び付くきっかけになっているようにも思えます。

昨今では、社会的責任がある立場にいる人間が、一部の人間を卑下するかのような発言がきっかけとなり、炎上するようなことが頻繁に取り上げられます。


そういった背景には、自己同一性を否定されると人は自己否定されたような感覚になるからではないでしょうか?

そういった発言をする人は、それらに該当する人達を理解する努力が足りないという側面もれば、言われた人達は言った側の背景を理解することはしていないと思われます。


多様化を受け入れる、という考え方は好ましくも思えますが、一方で多様化を避けるような風潮もあります。(運動会で1番を作らない、とか)


こういった相反する事柄に、少しでも理解していくために、自己同一性を持つとは何のか?という気持ちでこの記事を作成しました。

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