今回は認知行動療法について
認知行動療法という言葉は、心理学を少しでも学んだことがある人ならば耳にしたことがあるのかと思われます。
何かしらの心理学に関連する書籍などで、認知行動療法の言葉を目にしたことがあるかもしれません。
どんなことが行われるのか?
セルフ出来るものなのか?
などなどの疑問も出てきますが、どのようなものなのかを知ることで、それらの疑問も解決できるかもしれません。
治療方法の概念
問題を解決する目的で行われるアプローチであり、クライアントの考え方を組み替え、その行動の在り方を変えるといった、認知療法と行動療法の考え方を組み込んだ治療法です。
その目的は、クライアントの不幸をもたらしている思考と行動の悪循環を変える、ということにあります。
治療者(セラピスト)は、問題の細分化、クライアントの行動、思考、気持ち、身体感覚を分析し、クライアントの自動思考が行動にどういった影響をもたらしているのかを理解していきます。
こういった形式を学んだ後に、練習することで治療効果を高めるといった流れになります。
治療の流れ
実際に行われる流れを解説します。
第一段階
クライアントを理解し、信頼関係を築き、起きている問題点を説明します。
つらい気持ちが望ましくない行動を生んでいる
↓
行動によって、思考が強まる
↓
ネガティブな思考が、気持ちに影響してくる
こういった悪循環を説明する必要があり、「思考、気持ち、行動」の悪循環を見つけます。
第二段階
悪循環を終わらせるために、問題となっている「思考」と「行動」を調査します。
そして、それらがクライアント自身や周りの人へどのような影響を与えてしまっているのかまで調べます。
そうした原因などの調査を基に、思考や行動を変える計画を「クライアントと共に」立てていきます。
第三段階
悪循環を断ち切るために、あらゆる介入方法を利用していきます。
介入方法として、
・SIT(ストレス免疫療法)
・リラクセーション技法
・マインドフルネス
・アサーティブネス
・曝露法(エクスポージャー法)
とあり、これらを組み合わせたりし、何がクライアントに合っているのかを確認していきます。
第四段階
治療は終了しても、行ってきた技法を実践し続けるようにクライアントに促す。
という4つで終了となります。
また、実施にあたって、セッションとセッションの合間には、思考や不安の記録、楽しい活動の日誌などのそれぞれに合わせた課題をこなしてもらいます。
第三世代の認知行動療法
CBTで行ってきたアプローチを発展させつつ、異なる目標を掲げ進化し続ける1つの治療方法です。
大きな変化として、症状の軽減よりも、無益な思考から距離を置くことに重点を置くことを目標とされています。
アクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)ともいわれ、その治療法では否定的な自己評価の影響を和らげる方法を学んでいきます。
こう言っても何がどう違うのかはわかりづらいかもしれませんが、例えば「何やっても上手くいかない」と思うのを、「何やっても上手くいかない」という考えが浮かんでいるな~っというような見方に切り替えるイメージです。
こういった思考を持つことは、ネガティブな思考が浮かんだとしても、すぐさまに体に現れるような反応が弱まり、自分の価値観に従って行動を選べるようになります。
とはいえ、心身の状況では上手く対処できないこともあるため、セラピストはあらゆる対処法を学ぶ必要があり、相応した技法もあります。
まとめ
認知○○療法というものは幾つかあり、今回は認知行動療法について解説しました。
ご覧いただいてわかるかと思いますが、自分自身では対応できなくはありませんが、セラピストにセッションしてもらいながらやる方が良いと思われます。
自身でやるとなると、問題点の解決が上手く組み立てれなかったり、進捗状況が芳しくないと否定的になったりと経過の中で上手くいきそうにありません。
そして、これだけ大変な方法になりますので、医療従事者皆が出来るというわけでもなく、臨床心理士のような専門の訓練を積んだ人にお願いしたいところです。