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A united statement of the global chiropractic research community against the pseudoscientific claim that chiropractic care boosts immunity【カイロプラクティックと免疫の嘘話】

Sunday, February 28, 2021

感染症



今回はカイロプラクティックと免疫の話


COVID-19が流行してから、世の中に"免疫"に関する商品やサービスが過剰に増えてきたような実感があります。

以前からも免疫に関することは取り上げられていますが、季節性のものだったのですが、年中耳にするようになってきました。

そして、そのような状況を利用して補完医療でも免疫に対して働きかける文言を、宣伝文句として使って商売しているような人々がいます。

COVID-19だから、とかは関係がなく、健康効果を謳った広告には規制があり、関連する法律も幾つかあります。

それらを知らないのか、知っていて無視しているのかは知りませんが、そういったものを利用して思わぬ被害を被ることを避けたいものです。

紹介する研究では、カイロプラクティックと免疫に関するものを取り扱っていますので、この話にも関係するものになります。


研究内容


カイロプラクティックによる調整が、免疫系に影響を与えるという主張をしている人たちの意見を裏付けるために、国際カイロプラクター協会(ICA)が使用したアプローチを調査したものとなります。


ICAの主張では、自律神経系活動に対する脊椎手技療法の効果に関する文献の1つの系統的レビューと、カイロプラクティック治療と予防に対する手動療法の有効性と関連する2つの系統的レビューの結果と結論を比較していました。


ICAの報告書によれば、カイロプラクティックの調整は、神経系への影響を通じて免疫システムを高めることができることを意味しています。

この主張は、2つの仮定に基づいているものになっています。

・カイロプラクティックの調整は神経系に有益な効果をもたらします。

・カイロプラクティックの調整は神経系を介して免疫系を改善します。


しかし、これらの仮定はカイロプラクティックの調整が免疫機能の改善に、効果的、または効果的であるという確固たる証拠によって裏付けられていません


よって、COVID-19パンデミック下に免疫に対するカイロプラクティック調整や脊椎マニピュレーションの利点を宣言することは明らかに無責任なものであり、科学、コロナウイルスのパンデミック、および公衆衛生上のリスクについての理解が不足していると言わざるを得ないと考えられます。



報告書から読み取れるのは、ICAに都合がいい良いような基礎科学研究結果を利用し、効果について肯定的な物語を作成したことが示唆されています

こういったことは珍しくなく、疑似科学であると警告するサインでもありますが、このアプローチは、基礎研究と臨床研究の間に存在する確立された境界を尊重することができません。


特別な証拠を提供せずに特別な主張を進めることは、立場の科学的妥当性について重大な懸念を引き起こします。


その報告書なかには、1918年のスペイン風邪の大流行時のカイロプラクティックケアを受けた個体は、医師によって治療された人よりも死亡する51〜91倍の可能性が低かったことを記述していました

これらの効果量は大き過ぎるため、信頼足り得ないものであり、異常な主張には異常な証拠が必要であるため、疑似科学であることを示しています

カイロプラクティックの調整がインフルエンザによる死亡率を低下させることを示唆するために、100年前の非公開、非ランダム化比較試験のデータを使用することは、科学的および社会的に無責任です。


疑似科学はいつでも誤解を招き、誤った情報を与える可能性があります。


COVID-19で出来る対策には、定期的な手洗い、呼吸に関するマナー、距離、家にいること、食べ物や薬を入手することを除いて家の外への旅行を制限すること、症状がある場合はマスクを着用することが含まれますが、これらに限定されません


解説

読んでいただいたら大方の内容はわかっていただけるのですが、要点だけ書きだします。

・カイロプラクティックによる操作で免疫力が向上する、といったのは国際カイロプラクター協会


・免疫力に関するレビューには、カイロプラクティックが有利になるような操作がされている疑いがある。
→疑う理由として、効果量が過剰や根拠性のない過去の事象など、疑似科学から導き出した根拠を、今回の根拠としていたため。


といった話でした。


パンデミックになってから、様々な情報に科学的根拠が付け加えられるようになってきました。
一見すると、根拠性を示すものとして安心し、利用するきっかけになりそうなものですが、その根拠自体が嘘だったらどうですか?という話です。

陰謀論?とかそういったものではなく、単に根拠のないことを声を大きく言っているだけという話です。


こういったことを見極めるのは、専門であろうがなかろうが、調べればわかったりもしますが、普段はそこまで調べたりはしない人が多いのかもしれません。

そういった状況だと、選択した自分の非を認めずに、他人などの所為にすることが多いので、それはそれで問題があると思いますが、今回のような有名な協会が変なことを言うのも問題かと。


まとめ

過度な期待をさせる文言(奇跡的、革新的、最新の、などなど)の医療系サービスは、慎重な判断が必要である、ということで。



Pierre Côté,corresponding author1,2,3 André Bussières,4,5 J. David Cassidy,3 Jan Hartvigsen,6,7 Greg N. Kawchuk,8 Charlotte Leboeuf-Yde,9 Silvano Mior,2,10 Michael Schneider,11,12 and and more than 140 signatories# call for an end to pseudoscientific claims on the effect of chiropractic care on immune function

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