KeiS a medical professional

This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

sponsorlink

【COVID-19】教育機関で行われている感染対策方法の研究

Thursday, January 28, 2021

感染症



 今回はCOVID-19感染を蔓延させないための施策について

2020年より世界を巻き込む感染力にまで至っているCOVID-19ですが、対策として「接触を避ける」「マスクなどで飛沫を防ぐ」「手指消毒」「室内の空気の入れ替え」などが挙げられます。

既にこれらの対策を行って数か月経っていますが、国や機関、会社、家族などではクラスター感染する例が増えてきています。

原因が?政府が?という話よりも、感染し専門機関に受診することで、医療現場の忙しさは目まぐるしいものとなっています。

感染しても症状が・・・不安だから検査に・・・など、考え方は多様かと思われますが、一番は感染を広げずに社会に影響が出ないに越したことはないと思われます。

そんな中、教育機関で休校とすることで感染を抑えようとしている活動がありますが、それらに効果はあるのか?有害報告はあるのか?ということを調査している研究を紹介します。


研究の内容

学校で設定された介入を研究する42件を対象にしたものです。

うち31の研究では、数学的モデリング設計を使用して、母集団に対する測定値の影響を予測しました。

2つの研究では、実験計画法を使用しました。
この計画では、研究者が人や設定をグループに分けて、さまざまな測定の効果を比較しました。

9つの研究では、研究者が介入の効果を単に観察する観察デザインを使用しました。

研究は、ヨーロッパ(20研究)、南北アメリカ(13研究)、西太平洋(6研究)、および東地中海(1研究)で実施されました。

ほとんどの研究では、複数の学校環境(小学校、中学校など)での対策を評価しました。

3つの研究は中学校に焦点を合わせたものです。



介入の種類として、研究では3つの幅広いタイプの測定値を評価しました。

1. SARS-CoV-2の感染を減らすための組織的対策(36件の研究)

・ソーシャルディスタンスや飛沫の散布防止などの施策。
・登下校などの時間管理で接触する機会を減らす施策。


2. SARS-CoV-2の感染を減らすための構造的または環境的対策(11件の研究):

・学校内、運動場などを例にした環境での物理的接触を防ぐ施策。


3. SARS-CoV-2感染を検出するための監視および対応措置(19件の研究)

・感染を特定する検査や追跡調査など。

・診断された患者の隔離、疑わしき症状を持つ人の検疫


これらの結果として、上述のような対応は評価されましたが、問題点として医療機関の入院数の増加、環境整備のコスト増、手指消毒などにより湿疹などの害が増加という点が挙げられました。


そして、懸念として

・児童の健康と幸福の低下、差別などの格差が増加、親の雇用や収入の減少、経済的生産性が失われる可能性などが挙げられています。


レビューアの結論


私たちは、学校の環境で実施された対策の不均一で複雑な証拠ベースを特定しました。このレビューは、利用可能な証拠を理解するための重要な最初のステップであり、このトピックに関する迅速なレビューの開発に情報を提供します。


まとめ 

エビデンス=科学的根拠と聞くと、日本人は学校教育やテストなどに解答があるかのようにそれを「答え」と認識する方が多いようです。

これは正解であり不正解でもあると言われています。

それは、研究のモデルや条件などが異なれば結論が変わることもあるからです。

よって、今回紹介しているレビューは、「学校への介入方法の効果」に関しては十分行える行動として言えるものの、現実はそうでないこともあります。

ウイルスは変異していくものであるために、感染力が強力になったり不活化することもあるため、今後はこういった行動をやり続けながらも「変化」することが求められています。

こういった活動というデータが蓄積されているならば、何が必要で不必要でという議論も生まれても良いものかと思われます。


今後もこのような研究が増えてくると思われますので、見つけ次第記事にします。


Krishnaratne S、Pfadenhauer LM、Coenen M、Geffert K、Jung-Sievers C、Klinger C、Kratzer S、Littlecott H、Movsisyan A、Rabe JE、Rehfuess E、Sell K、Strahwald B、Stratil JM、Voss S、Wabnitz K、バーンズJ.COVID-19パンデミックを封じ込めるために学校で実施された対策:スコーピングレビュー。システマティックレビューのコクランデータベース2020、第12号。アート。番号:CD013812。DOI:10.1002 /14651858.CD013812。

QooQ