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【casereport】オスグット・シュラッター病の概要と症例について

Monday, January 4, 2021

整形外科

今回はオスグット・シュラッター病について

比較的に見た目でもわかる本症は、特徴を知っているだけでもオスグット・シュラッター病じゃね?と疑うことができるようになります。

そんな内容で紹介してきます。

どんな時に起きるのか?

・成長期の骨端軟骨閉鎖前(こったんなんこつへいさまえ)に過剰な大腿四頭筋の収縮が加わることが脛骨粗面部に過度な牽引力をかけるため起きると言われている。

太ももの前にある筋肉に力が掛かる頻度が多いほどなってしまうということ。

・10~15歳の男児に出現することが多いと言われています。

どんな特徴?

・脛骨粗面部(膝を曲げた時にボコっと出っ張るところ)の痛みと痛みによる運動能力の低下、運動前後の痛みが特徴である。

・痛みがある状態で運動を継続することは、脛骨粗面部に分節化(分かれる)を認めることもある。

成人になっても骨片が残存し、疼痛が起きる場合は摘出手術の適応ともなる。

症例

・18歳 男性

野球の練習で1ヵ月前よりダッシュ時に脛骨粗面部に疼痛を訴える。

患部に圧痛と腫脹が確認されるが、大腿四頭筋のストレッチングでは疼痛が誘発されなかった。

膝伸展時の筋力にも左右差はなかった。

単純X線により、本症と確認し骨片の遊離も認められた。

その後5ヶ月経ち、1週間前より疼痛が再発した。

今回は大腿四頭筋のストレッチングで疼痛が誘発された。

症状が長期間に及び、その後も野球を続ける意志が有るという理由から、骨片の摘出手術を行った。

術後1.5ヶ月でスポーツ復帰となり、痛みも激減している。

まとめ

本症は私の臨床経験上でも良く見かける膝のトラブルの1つです。

多くは上記の症例とは違い、受傷して暫く経ってから受診することが多かったため、
骨片の摘出術まではみたことがありませんが、治療開始から2か月に及ぶ症例もありました。

単に大腿四頭筋の収縮が強すぎるだけではなく、ハムストリングスの収縮の強さにも注目している文献も見かけたことがあります。

所謂、大腿四頭筋はブレーキ筋、ハムストリングスはダッシュ筋と考えることもあるため、ブレーキばかり強すぎると本症の誘発への関連性が見られることもあるようです。

確定的かはおいて、大腿四頭筋のストレッチングとハムストリングスの強化は同時にやっていても損はないようにも思えますので、予防したい方は是非。

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