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下痢に困る小児に亜鉛を投与するって研究

Tuesday, January 26, 2021

小児科

現在発展途上国では、下痢により年間約50万人の子供が死亡しています。

急性下痢時の対策方法は亜鉛補給です。
これは現在、世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF)によって
推奨されています。

紹介する論文では、急性または持続性の下痢を伴う小児を
治療するための経口亜鉛補給を評価することが目的とされています。

研究の内容は?


・33件の試験から10,841人の子供を対象となりました。
・ほとんどの試験は、亜鉛欠乏のリスクが高いアジアの国々で行われました。

・急性下痢時の亜鉛補給が死亡または入院した子供の数を減らすかどうかを判断できるほど十分に行われたRCTからの十分な証拠はありません

・生後6か月以上の小児では、亜鉛補給は下痢の平均期間を約半日短縮する可能性があります。
(MD −11.46時間、95%CI −19.72〜 − 3.19;小児2581例、試験9件、低確実性証拠
・おそらく下痢が7日目まで持続する小児の数が減少する。
(RR 0.73、95%CI 0.61〜0.88; 3865人の小児、6回の試験、中程度の確実性の証拠

・栄養失調の兆候がある小児では、その効果はより大きく見え、下痢の期間を約1日短縮します。
(MD -26.39時間、95%CI -36.54〜-16.23; 419人の小児、5件の試験、高い確実性の証拠

逆に、生後6ヶ月未満の小児では、亜鉛補給が下痢の平均期間に影響を及ぼさない可能性があることが示唆されています。
(MD 5.23時間、95%CI −4.00〜14.45、1334人の子供、2試験、低確実性証拠

・または7日目にまだ下痢をしている小児の数(RR 1.24、95%CI 0.99〜1.54; 1074人の小児、1回の試験、確実性の低い証拠

含まれた試験のどれも重大な有害事象を報告しませんでした。しかしながら、亜鉛補給は、両方の年齢層において嘔吐の危険性を増加させた。
(RR 1.54、95%CI 1.05〜2.24;小児1334人、2件の試験、中程度の確実性の証拠

・持続性下痢の小児では、亜鉛補給はおそらく下痢の平均期間を約16時間短縮します。(MD -15.84時間、95%CI -25.43〜-6.24; 529小児、5試験、中程度の確実性証拠
子供の下痢を治療するためのLazzerini M、Wanzira H.経口亜鉛。系統的レビューのコクランデータベース、2016年、第12号。番号:CD005436。DOI:10.1002 / 14651858.CD005436.pub5。


で、結果はどうなのかと言いますと 

生後半年以降の幼児、小児に対して亜鉛を補給するということは、
急性、または慢性の下痢を減らすことができるという結果。

下痢=脱水症状なので、回避することによって命が守れる発想は容易なもの。

もし、知らなかった方がおられましたら下痢時の、水分と亜鉛などの補給は必要なんだ!とご存知ください。

1回に5mgの補給をされていたこの実験。

下痢気味かな?と思ったら目安にされると良いと思いますが、
摂取されるときは摂取量のコントロールをされてください。

亜鉛は摂りすぎると腹痛などの副作用が起こりやすいものです。

お子さんが下痢になってしまったら、対処方法としてのヒントとなる紹介でした。

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