治療計画について
目標設定をすることは、障害に対するリハビリテーションの重要な要素と考えられているが、目標設定を引き受けるための最善の戦略と、臨床的背景に関してはほとんど意見が一致していない現状があります。
また、目標設定がリハビリ後の健康上のアウトカムにどのような影響を与えるのかも明らかにされていません。
紹介する論文では、リハビリテーションに参加している障害を持つ、
成人の健康上の転帰を改善するための目標設定および目標の追求を強化するための効果を評価することにあります。
研究の内容は?
・39件の研究から合計2846人の参加者を対象にしていた。
・筋骨格系障害、脳損傷、慢性的な痛み、精神的健康状態、および心血管疾患が患者が選ばれていた。
・18件の研究で、目標設定をする強固なものにするかにかかわらず、目標設定なしと比較。
結果
・これらの研究は、成人のリハビリテーションの実践に目標設定をすることが、健康関連の生活の質または自己申告による感情状態など、目標設定なしよりも優れているという非常に質の低い証拠を提供します。・目標設定が社会参加または活動レベル、身体構造または機能、あるいはリハビリテーションプロセスにおける患者の関与のレベルの改善をもたらすかどうかに関して、証拠は決定的ではありません。
・14の研究は、目標追求をするための方法のにかかわらず、構造化目標設定アプローチを、何らかの目標設定を含むが構造化アプローチが追従されなかった「通常のケア」と比較した。
・これらの研究は、より構造化された目標設定がより高い患者の自己効力感をもたらすという。
・より構造化された目標設定アプローチがより高い健康関連の生活の質、感情的地位、社会参加、活動レベルをもたらすかどうかに関しての関連は不明です。
Levack WMM、Weatherall M、Hay-Smith EJC、Dean SG、McPherson K、Siegert RJ。リハビリテーションに参加している後天的障害を持つ成人のための目標設定と目標追求を強化するための戦略 系統的レビューのコクランデータベース2015年、第7号。番号:CD009727。DOI:10.1002 / 14651858.CD009727.pub2。
まとめ
誰のために治療計画を設定するのか?
ということになりそうな結論に。
仮に医療従事者が、「自分のために」行う治療計画は患者にとっては一方通行な無理を言われることがあると思います。
実際にそういった例になることを医療関係施設に言った経験のある方からお話を聞くこともあります。
研究の結果に「自己効力感」を高める示唆がされているのであれば、患者さんと共有する治療計画の策定は必須!ではないのでしょうか?
そして、計画を立てるなら「具体的な」計画を練り患者と共有する必要があるようです。