今回は覆面調査について
医院、クリニック、店舗、販売店などに覆面調査は入っていますか?これらの施設に覆面調査と言われると良くない方の調査を思い浮かべる人もおられるかもしれませんが、一般小売店などで顧客満足度を図るために調査される覆面調査のことです。
医療関係はコンサルタント会社などにより実施しているところもあるかもしれませんが、
実際にそれが顧客のサービス向上に関係してくるのか?
という疑問は持ったことがありませんか?
それらを調査している研究の結果を紹介します。
研究の内容は?
・204店舗で2014年に調査されたMSおよび顧客満足度評価を含む。
・購入頻度が少なく、財務上の確約が高い高価値サービスを販売している店舗が対象。
・1店舗あたり3回の覆面調査から、顧客評価は21,182件の顧客連絡後の電話インタビューから得ています。(1店舗あたりの平均観測数:103.88、SD:11.98)
・調査は60を超える質問項目を含む。
・主観評価は5点リッカート型尺度で、観察項目は2値尺度で測定した。
・顧客調査には、21の質問を含まれています。
結果から
実際の顧客満足度と覆面調査員の顧客満足度の相関は無かったという結論が出ています。
なぜこのような結果なのか?
・調査結果から相関性などを考慮した場合に有効でないと判断できる結果
・販売員が覆面調査に気づくことが多かった
という理由が含まれているためです。
まとめ
覆面調査の意味に関しては、無いという結果が出ています。
そして覆面調査をする意義は顧客満足度の測定です。
その顧客満足度が高い販売員は総じて売り上げも高いのか?
ということに関しては、この論文の結果からは自己認識と実際の売り上げの相関はないようです。
つまりは
「私は顧客を満足させることに長けています」
という人は売り上げに貢献できているか?というと相関性は低いのかも知れません。
話を戻しますと、そもそも医療関係にとって顧客満足度とは何ぞや?
という部分がわかっていないから覆面調査を実施するのかもしれません。
別の文献には、顧客満足度というのは、期待値である。
というような結論を出しているものがありました。
期待値を裏切ると満足度は減っていきますので、
「最新の設備です。」「ゆったり空間でくつろげます」
「最新機器を取り揃えています」「女性がいるので安心」
という部分は若干意味を取り違えていることが考えられます。
https://doi.org/10.1016/j.jretai.2019.04.001