今回は大規模調査からわかった食事と健康の関連性について
食事については散々問題視されてきていますが、
約20年にかけて行われている調査から世界的にどのような状況になっているのか?
ということが判り、その問題を考えなければならないということについて紹介します。
研究の内容は?
よい食事療法は、非伝染性疾患(NCD)の危険因子を予防できます。
しかし、NCDの負担に対するその影響は体系的に評価されていません。
この研究は、195カ国の主要な食物と栄養素の消費を評価し、
最適以下の摂取がNCDの死亡率と罹患率に与える影響を定量化する研究。
比較リスクアセスメントアプローチを使用することにより、
25歳以上の成人における各食事の危険因子に起因すると考えられる疾患特異的な負担の割合(人口寄与率とも呼ばれる)を推定した。
この分析への主なインプットは、
・各食事因子の摂取量
・疾患の評価項目に対する食事因子の影響の大きさ
・死亡率の最も低いリスクに関連する摂取量のレベルを含みました。
次に、疾病別の人口に起因する割合、死亡率、および障害調整後の生年月日(DALY)を使用して、各疾病の転帰に起因する死亡数とDALYを計算しました。
結論は?
2017年に、1100万人(95%の不確実性の区間[UI] 10-12)の死亡と2億5,500万人(234-274)のDALYが食事の危険因子に起因していた。
ナトリウムの高摂取量(300万[1-5]死亡および7000万[34-118] DALY)
低摂取全粒穀物(300万[2-4]死亡および8200万[59-109] DALY)
果物の摂取量が少ないこと(200万人から1-4人の死亡および6500万人から41000人のDALY)
世界中および多くの国で、死亡およびDALYの主要な食事の危険因子でした。
食事データはさまざまな情報源からのものであり、すべての国で利用できるわけではないため、我々の推定値の統計的な不確実性が高まっています。
まとめ
調査結果からは国によって異なる部分があるので、言い切れる結論ではないようです。
しかし、ナトリウムの過剰摂取、穀物、果物の摂取量が減少ということが死亡因子と関連しているという調査結果は得られていました。
恐らく手軽に食事ができる環境が増え、一時の空腹を補うことができるファストフードなどのバランスが偏りやすい食事が当たり前になってきていることも原因と考えられます。
企業努力により、野菜や果物を加工し手軽に食べれるような食品は増えてきています。
あるいは変わらぬ自炊と言われる方法え食事を摂り、バランスを整える必要もあります。
これらのことから、寿命の間に健康であり続けるのであれば何を偏って食べているか?
ということは凄く重要となってきます。
1つ考えなければならないのは、いくら個人で改善する意識を持ったとしても企業や生産者、国といった大きな規模での改善がなされていかないと解決しないことも出てきます。
それは、いくら穀物や果物が少ないから多く食べたい!と思っても、相次ぐ農業被害などで価格が高騰すると安易に手が出せなくなってしまいます。
それらを解決するには生産者が泣き価格を操作しても長続きしませんので、
国や企業の関与が必要になってきます。
そういった大きな問題のようですが、まずは個人の考えからでしょうね。
https://doi.org/10.1016/S0140-6736(19)30041-8