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This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

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自閉症スペクトラムの診断方法の科学的根拠について

Tuesday, January 26, 2021

精神科

自分にも思い当たる節がある話題です。

自閉症の診断に関する適切な方法が研究された論文を紹介します。

自閉症スペクトラム障害(ASD)は、行動的に診断された状態です。

社会的コミュニケーションの障害または制限されたもしくは反復的な行動の存在、
あるいはその両方によって定義されます。

診断は既存の分類体系に従って行われます。

近年、特に精神障害の診断と統計マニュアル第5版(DSM-5; APA 2013)の発行後、
自閉症障害、アスペルガー症候群などのスペクトルの下位分類ではなく、
子供にASDの診断が与えられています。



研究の目的は!

最新バージョンを含むどの診断ツールが、
学際的なチームによる臨床判断と比較した場合、
未就学児童のASDを最も正確に診断するか?ということです。

最良のインタビューツールとCARSの比較方法、次にCARSとADOSの比較方法を特定します。

①ADOS、ADI-R、CARS、DISCO、GARS、3diのうち、どのASD診断ツールが最良の診断テスト精度ですか?

②ある検査の診断検査精度は、その検査が幼児の唯一の評価ツールとして適切であるために十分であるか?

順番に提供された場合、適切な診断テストの正確さを提供し、
 テスト効率を高めるようなテストの組み合わせはありますか?

④データがある場合、面接ツールと構造化観察テストを組み合わせると、
 どちらか一方のテストよりも診断テストの正確性が向上する?
 (診断制度が高まると、ASDなのに発見されなかったり、ASDではないのに陽性って言われることを回避できる)


どんな研究をしてましたか?

・13件の出版物から、子供たちに対するツールやコホートを報告する21件の分析が含まれています。
 その多くはバイアスのリスクが高く、利益相反の可能性があり、その両方の組み合わせである場合もありました。

・全体として、含まれる分析における小児のASDの有病率は74%。

・ADOSのバージョンとモジュールについては、
 1625人の子供を持つ12の分析がありました。
 ADOSの感度は0.76から0.98の範囲であり、特異性は0.20から1.00の範囲。
 要約感度は0.94(95%信頼区間(CI)0.89〜0.97)であり、
 要約特異性は0.80(95%CI 0.68〜0.88)であった。

・CARSについては、641人の子供を対象とした4つの分析があった。
 CARSの感度は0.66から0.89の範囲であり、
 特異性は0.21から1の範囲であった。
 CARSに対する要約感度は0.80であり、
   要約特異性は0.88であった。

・ADI-Rについては、634人の子供を対象に5つの分析が行われました。
 ADI-Rの感度は0.19から0.75、特異度は0.63から1.00でした。
 ADI-Rのサマリー感度は0.52(95%CI 0.32〜0.71)
 サマリー特異性は0.84(95%CI 0.61〜0.95)です。

・テストを比較した研究は少なく、明確な結論を得ることができませんでした。

・ADI-RとADOSの両方の分析を含む2つの研究では、感度に関してはテストのスコアは同じですが、特異度に関してはADOSのスコアがより高くなっています。
 ADI-R、ADOS、およびCARSの分析を含む2つの研究では、
 ADOSが最高の感度を、CARSが最高の特異性を示しました。

 ADOSとADI-Rの個人的および相加的な感度と特異性を調査したある研究では、
 2つのテストを組み合わせても、単独で使用されるADOSの感度も特異性も増加しませんでした。
バイアスのリスクが高い研究を除外した場合、すべてのテストのパフォーマンスは低かった。

Randall M、Egberts KJ、Samtani A、Scholten RJPM、Hooft L、Livingstone N、Sterling-Levis K、Woolfenden S、WilliamsK。就学前児童における自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断検査。系統的レビューのコクランデータベース2018年、第7号。番号:CD009044。DOI:10.1002 / 14651858.CD009044.pub2。

で、どうなの? 

ADOSが最も感度の高い検査だそうなのですが!一つレビューアからのコメントで気になるものが・・・
「全てのツールは特異性に関して同様に機能した。有病率の低い集団では、ASDを患っていない子供を誤って特定する危険性が高くなります。」

おぉ・・・間違っちゃうことあるのか~

現在行われている手法は、検査として偏る危険性の少ない方法で有効とされていますが、
集団が変わっちゃうと間違っちゃうこともあるみたいですね。

ADOSというテストをやってみましょう!と言いたいところでしたが、
本来有料で行われているテストだそうなので、紹介することは伏せます。

未就学児って発達障害なのか判り辛いこともあるので、大人になって実はそうだった・・・ということもあります。

特定し、相応の対処をすることで子供の生活が変化すれば良いのですが、
実際にはどうなのでしょうね?

自分の問題ですが、集団のなかに入っちゃうと周りの理解も必要になってきます。

この診断をするべきなのかは、判断が難しいなぁと思いますが、
もし診断する時に行う検査法に迷ったらこの論文結果をご参考に。

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