今回は腰痛の運動療法介入のエビデンスについて
腰痛を改善するために、運動療法を取り入れる人も増えてきていると聞く昨今。
しかし、腰が痛いのに運動していいの?
という疑問をお持ちの方の背中を押すようなガイドラインを紹介します。
運動療法ってどうなの?
腰痛には急性期、亜急性期、慢性期と痛みが続いている期間などで分類します。
今までは運動療法といえば、慢性期に限定されたエビデンスはありましたが、
急性期、亜急性期の研究も追加されていましたので、どのような結果になっているのかを紹介します。
腰痛急性期の運動療法
規模などは不明ですが、参照にされていたのはRCTです。
この研究結果から無治療群との比較から、運動療法の有用性は認められなかった。
さらに、腰痛体操を実施した場合も何らの変化も有意的ではないため、
これらの結果から急性期には日常と変わらない生活を送ることが有益とされた。
腰痛亜急性期の運動療法
こちらも規模などは不明ですが、参照にされている研究はRCTで行われています。
結果からプラセボ、一般的な治療方法と比較しても有用性のある結果はありました。
しかし、有用と取れる面は復職に対する面でのみ報告されており、
疼痛や運動改善などの側面での有用性は認められていない。
同分類ではないが、理学療法、MBRでの介入では疼痛改善や身体機能面、復職での効果が得られてはいるが、エビデンスの質が低いため何とも言えない側面も。
腰痛慢性期の運動療法
こちらも規模などは不明ですが、参照にされている研究はRCTで行われています。
結果から慢性期に対する運動療法は、結果的に有用と見られ、理学療法とMBRでの介入でも良い結果が得られている。
さらに、運動群と対照群(薬理学的治療)を比較した場合でも、運動療法の方が疼痛改善、身体機能改善、QOL向上などの有意的な結果が得られていた。
※後述の運動群は、体幹強化とストレッチ10回、2セット/1日という内容でした。
有害事象
ガイドライン上では、運動療法による有害事象は認められず、今後の医療費削減のためにも積極的に導入しては?という内容。
まとめ
如何でしょうか?
急に腰痛になった際は運動療法以外での治療を検討された方が良い、という内容でした。
慢性的に腰痛と悩んでいる人は、寧ろ運動療法を取り入れたほうが良い、ということで。