今回紹介するのは、運動と免疫に関する話を紹介します。
このブログは、医学と健康に関して後悔しないような選択肢をとってもらうために、 科学的根拠の高い論文などを紹介し、それをどう使っていくべきなのか?を私が解説・提案していくブログです。
1900年から研究されているテーマだそうですが、2019年の5月に刊行された論文に掲載されている内容を紹介します。
単に運動をすれば免疫は上がる!というイメージを抱きそうですが、
案外そういう単純な話でもないようです。
・強度の高い運動は免疫機能と代謝機能を改善する
・データからは中程度な強度の運動を行うと病気のリスクが減少する
・激しい運動や長時間にわたる運動などを行うアスリートでは病気のリスクが高まる
・免疫を補助する栄養として炭水化物とポリフェノールが良いという結果もあった
・習慣的な運動は免疫機能と加齢による機能不全を予防できる
という結果が取り上げられていたものですた。
では詳しくみていきましょう。
研究では60%の強度と60分を区切って運動結果を見ていました。
60分未満の高強度の有酸素運動を行うと免疫系の機能が向上し、
炎症性サイトカインやストレスホルモンが減少するといった傾向も見られます。
高強度運動=急性運動と記述されているこの論文では、
急性運動を行うと循環と組織での白血球の働き、交換を活発にするため、
これらの適度な運動は抗炎症作用とグルコース代謝に利益をもたらすという結果でした。
次に60分以上続くような運動選手などの場合、強度の高い運動による身体的ストレスや勝負事が関与するため精神的なストレスから、生理的なメリットを上回るデメリットの働きで炎症傾向になったり、ストレスホルモンの影響も受けやすくなるということでした。
また69件の研究ではマラソンやウルトラマラソンのような長時間の運動選手では上記のような傾向が見られたようです。
2311人の持久走ランナーの大規模なグループ研究では、
ロサンゼルスマラソン大会の実施日から翌週の間に、13.0%の人がコントロール群よりも有意に病気を報告していた結果もありました。
論文中にこんな対策したらどう?という内容がありました。
・個別の能力に合わせて、睡眠、食事、心理的なプログラムを専門家と策定する
・トレーニングの負荷を上げる時は週に10%未満内でコントロールします
・選手の健康状況に基づいた競技のイベントカレンダーを作成します
・過剰なトレーニングを実施する際は、病気の初期症状などを管理する
・病気になったら、集中的な練習は避けるようにする
という個人向けな内容から
・密閉した空間内では感染リスクを避けるために十分に施設を換気する
・感染リスクを下げるため、虫に刺されやすい場所などでは衣服を調整し、
また性交渉に関しては避妊具を活用する
・手洗いうがいを徹底する
・国内外に遠征などする際は、必要に応じたワクチンを接種する
・質の高い睡眠をとるようにする
・過度のアルコール摂取は控える
・バランスよく食事をとり、免疫機能を向上するためにも炭水化物とポリフェノールは欠かさないようにする。
ということまで対策案が出されています。
自分だけでは出来ないかな?と思われましたら、周囲の誰かに頼っても良いのかもしれません。
次に炎症が低下するということに関してですが、
1293人の中年のデンマーク人に対して行われた調査では、
フィットネスとCRP(炎症性蛋白)とIL-6およびIL-18では逆相関関係があったとのこと。
つまりは、フィットネスなどの運動により(減量しないレベルの)
体の炎症が減少するという有意な結果は得られていないということだそうです。
短時間の有酸素運動では炎症が低下した!という報告もあるようですが、
現状では中程度以上の運動では炎症が抑えられるという確証はないということに。
次は食事に関して。
1990年の研究では90分の運動後に30~60gの炭水化物を摂取すると、
ストレスホルモンのレベルが減少したという報告もされています。
次はポリフェノールですが、特にフラボノイドは利益が高いということで注目されており、腸内で免疫関連の作用に寄与することが報告されています。
それらの作用から、抗炎症作用に役立つと考えられているわけです。
免疫に関しては既存で出回っている情報に似通っていましたので割愛します。
全文読みたい方は(R)
今回はこの論文を通じて、BMIなどに関わらず運動する時間や強度によって免疫機能が向上したり抑制されるという事実についておぉ!となったため記事にしました。
特に週に軽くだけ運動する人には耳寄りではないかもしれないですが、
スポーツ選手のような運動をする方は免疫が意外に下がっていることも懸念される内容でした。
一般的には免疫機能を向上させるためにも、運動をしましょう!と印象付けられている方もおられるかと思いますが、こういった研究結果から得られている事象もあることも念頭に置き、選手を管理、選手自身が管理していかなければなりません。
このブログは、医学と健康に関して後悔しないような選択肢をとってもらうために、 科学的根拠の高い論文などを紹介し、それをどう使っていくべきなのか?を私が解説・提案していくブログです。
1900年から研究されているテーマだそうですが、2019年の5月に刊行された論文に掲載されている内容を紹介します。
単に運動をすれば免疫は上がる!というイメージを抱きそうですが、
案外そういう単純な話でもないようです。
・強度の高い運動は免疫機能と代謝機能を改善する
・データからは中程度な強度の運動を行うと病気のリスクが減少する
・激しい運動や長時間にわたる運動などを行うアスリートでは病気のリスクが高まる
・免疫を補助する栄養として炭水化物とポリフェノールが良いという結果もあった
・習慣的な運動は免疫機能と加齢による機能不全を予防できる
という結果が取り上げられていたものですた。
では詳しくみていきましょう。
研究では60%の強度と60分を区切って運動結果を見ていました。
60分未満の高強度の有酸素運動を行うと免疫系の機能が向上し、
炎症性サイトカインやストレスホルモンが減少するといった傾向も見られます。
高強度運動=急性運動と記述されているこの論文では、
急性運動を行うと循環と組織での白血球の働き、交換を活発にするため、
これらの適度な運動は抗炎症作用とグルコース代謝に利益をもたらすという結果でした。
次に60分以上続くような運動選手などの場合、強度の高い運動による身体的ストレスや勝負事が関与するため精神的なストレスから、生理的なメリットを上回るデメリットの働きで炎症傾向になったり、ストレスホルモンの影響も受けやすくなるということでした。
また69件の研究ではマラソンやウルトラマラソンのような長時間の運動選手では上記のような傾向が見られたようです。
2311人の持久走ランナーの大規模なグループ研究では、
ロサンゼルスマラソン大会の実施日から翌週の間に、13.0%の人がコントロール群よりも有意に病気を報告していた結果もありました。
論文中にこんな対策したらどう?という内容がありました。
・個別の能力に合わせて、睡眠、食事、心理的なプログラムを専門家と策定する
・トレーニングの負荷を上げる時は週に10%未満内でコントロールします
・選手の健康状況に基づいた競技のイベントカレンダーを作成します
・過剰なトレーニングを実施する際は、病気の初期症状などを管理する
・病気になったら、集中的な練習は避けるようにする
という個人向けな内容から
・密閉した空間内では感染リスクを避けるために十分に施設を換気する
・感染リスクを下げるため、虫に刺されやすい場所などでは衣服を調整し、
また性交渉に関しては避妊具を活用する
・手洗いうがいを徹底する
・国内外に遠征などする際は、必要に応じたワクチンを接種する
・質の高い睡眠をとるようにする
・過度のアルコール摂取は控える
・バランスよく食事をとり、免疫機能を向上するためにも炭水化物とポリフェノールは欠かさないようにする。
ということまで対策案が出されています。
自分だけでは出来ないかな?と思われましたら、周囲の誰かに頼っても良いのかもしれません。
次に炎症が低下するということに関してですが、
1293人の中年のデンマーク人に対して行われた調査では、
フィットネスとCRP(炎症性蛋白)とIL-6およびIL-18では逆相関関係があったとのこと。
つまりは、フィットネスなどの運動により(減量しないレベルの)
体の炎症が減少するという有意な結果は得られていないということだそうです。
短時間の有酸素運動では炎症が低下した!という報告もあるようですが、
現状では中程度以上の運動では炎症が抑えられるという確証はないということに。
次は食事に関して。
1990年の研究では90分の運動後に30~60gの炭水化物を摂取すると、
ストレスホルモンのレベルが減少したという報告もされています。
次はポリフェノールですが、特にフラボノイドは利益が高いということで注目されており、腸内で免疫関連の作用に寄与することが報告されています。
それらの作用から、抗炎症作用に役立つと考えられているわけです。
免疫に関しては既存で出回っている情報に似通っていましたので割愛します。
全文読みたい方は(R)
今回はこの論文を通じて、BMIなどに関わらず運動する時間や強度によって免疫機能が向上したり抑制されるという事実についておぉ!となったため記事にしました。
特に週に軽くだけ運動する人には耳寄りではないかもしれないですが、
スポーツ選手のような運動をする方は免疫が意外に下がっていることも懸念される内容でした。
一般的には免疫機能を向上させるためにも、運動をしましょう!と印象付けられている方もおられるかと思いますが、こういった研究結果から得られている事象もあることも念頭に置き、選手を管理、選手自身が管理していかなければなりません。