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脳腫瘍の早期発見を促す広告に効果ない?って研究

Thursday, January 28, 2021

医療基礎知識

 

今回は脳腫瘍の診断を短縮できるのか?について

人の体には必ずといっていいほど、腫瘍という存在が共生しています。

この腫瘍が他の細胞を侵食したり、他の臓器などを圧迫して機能低下をさせたりと、私達の生命活動において害になることが多い腫瘍です。

これを早期に発見し、対処することで助からない命が助かった的な美談を耳にすることもあるかと思われます。

腫瘍の診断については、発見が遅れないように診断技術や機器のアップデートなど、日々の努力がありますが、どういった行動をすると早期診断が可能なのか?という論文がありましたので紹介します。

論文の目的


参照にしている研究では、脳腫瘍の発見について研究されている115のものを対象にレビューされています。

このレビューの主眼点は、診断においてイニシアティブ、どういった行動に費用を掛ければ早期診断が可能になるのか?ということについて調査されていました。


結論

結論から、どのような行動、手法を用いたとしても確たるものはないとのこと。

イニシアティブによって、診断が短縮されるのか?

これらについては何とも言えないとのこと。

因みに、ここでいうイニシアティブの例ですが、
・キャンペーンなどで、医師への受診を促すような内容
・専門機関に迅速に紹介するシステム(ガイドラインの作成)
が挙げられています。

日頃、早期発見を促すような広告などを見かけますが、これらがその成果に繋がるのかは科学的根拠はないとのこと。


脳腫瘍の知識

脳腫瘍は、異常で制御不能な発達する脳内の細胞のグループのことです。

脳腫瘍には主に2つのタイプがあります。


・非癌性(良性)脳腫瘍:これらはゆっくりと成長し、体全体に広がることはありません。
・がん性(悪性)脳腫瘍:これらはより速く成長し、体の他の部分に広がる可能性があります。


脳で始まる脳腫瘍は原発性腫瘍と言われます。

それらが他の場所から脳に広がっている場合、それらは二次腫瘍と呼ばれます。


脳は体のすべての機能を制御しているため、すべての種類の脳腫瘍は深刻な健康侵害をする問題であります。

そして、良性と癌性の両方の脳腫瘍は致命的となる可能性があります。

そうでない場合もありますが、それらが覆ることもあるからです。


脳腫瘍の症状には次のものがあります。

・頭痛
・てんかん発作(発作)
・持続性の吐き気(気分が悪くなる)、嘔吐、眠気
・行動や性格の変化、思考障害、記憶障害
・体の片側に発生する脱力、麻痺
・発話やビジョンの変化


症状はすべてそれほど深刻ではない状態のものと捉えられる可能性があるため、脳腫瘍を診断することは困難なことがあります。

このことから、原因である脳腫瘍が特定されるまでには、しばらく時間がかかる場合があります。


しかし、腫瘍が大きくなるほど治療が難しくなり、他の障害を引き起こす可能性が高くなるため、脳腫瘍をできるだけ早く診断することが重要だと考えられています。


これらの背景からレビューされたものでした。


まとめ

このレビューは2020年1月に最終検索されたものを含めるものです。

つまりは、現時点では脳腫瘍の早期発見に関しては模索する必要があるようですが、更なる調査や研究によっては確たる方法が見つかるのかもしれません。

これらからわかることは、日頃広告などを打ち出す会社などは費用対効果を調査していないのでは?とも感じることが出来ます。

あるあるですが、何かの広告として打ち出すまでは良く思考を巡らせますが、一度広告するとその効果を測定する人が少ないですよね?

そんなことも考えさせられるレビューでした。

Grant R、Dowswell T、Tomlinson E、Brennan PM、Walter FM、Ben-Shlomo Y、Hunt DWilliam、Bulbeck H、Kernohan A、Robinson T、Lawrie TA 脳腫瘍の診断までの時間を短縮するための介入。システマティックレビューのコクランデータベース2020、第9号。アート。番号:CD013564。DOI:10.1002 /14651858.CD013564.pub2。

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