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【心理療法】慢性痛に一番いいのは認知行動療法?って研究

Thursday, January 28, 2021

心理学

 

今回は慢性痛と心理療法について

慢性痛といえば、どんな痛みを想像されますか?

私自身の慢性痛といえば頭痛ですが、腰痛や膝痛など身体的な痛みを訴えることを想像しやすいと思われます。

慢性痛といえども、慢性腰痛から線維筋痛症などの難治な症例の疼痛まで含まれますが、
今回紹介する研究は、心理療法でどれぐらい痛みが緩和するのか?を調べているものです。

研究の内容

線維筋痛症、慢性腰痛、関節リウマチ、および持続性の痛みの状態の混合を含む、さまざまな慢性の痛みの状態を持つ9401人を含む75の研究を対象にしています。


参加者の平均年齢は50歳で、疼痛発症の期間は平均9年でした。


尚、このレビューでは治療終了後、最大3年間追跡されました。


研究では、次の心理的治療を評価しました。

・認知行動療法(CBT、59研究)

・行動療法(BT、8研究)

・アクセプタンス&コミットメント療法(ACT、5研究)

・その他の心理療法(6研究)


CBTは、症状をより適切に管理できるように、誰かの考え方や行動を変えることに重点を置いています。


疼痛緩和治療を受けていない人と比較して、CBTで治療された人は、治療の終了時と6〜12か月経過した後、疼痛の程度は若干軽減されることがわかりました。


また、平均して障害が僅かに減少する可能性があります。


次に、疼痛緩和治療のうち、非心理的治療(運動プログラムや痛みの管理に関する教育など)を受けた人と比較して、CBTで治療された人は、痛み、障害、苦痛が僅かに減少します。

そして、6〜12か月後の痛みや苦痛は極僅かな現象がみられますが、障害レベルは非心理的治療を受けた人のレベルと同様な結果となっています。


因みに、他の心理療法では別の治療法と比較した場合の有意差が少ない、或いは根拠性の低い良い結果がもたらされることはあったようです。


レビューアの結論


大規模なエビデンスベース(59の研究、5000人以上の参加者)にわたって、CBTが慢性疼痛の痛み、障害、苦痛を軽減するための有益な効果が小さいか非常に小さいという十分なエビデンスが見つかりましたが、AEを評価するには不十分なエビデンスが見つかりました。CBTのエビデンスの質は、質が低いと評価した障害を除いて、ほとんど中程度でした。さらなる試験は治療効果のより正確な推定を提供するかもしれませんが、改善を知らせるために、研究は治療効果の変動の原因を調査する必要があります。BTとACTの試験からのエビデンスは中程度から非常に低品質であったため、慢性疼痛のある成人に対するこれらの治療の利点または利点の欠如については非常に不確実です。他の治療法は分析されませんでした。これらの結論は、ACTの個別の分析を除けば、2012年のレビューと同様です。


認知行動療法とは? 

認知すること(物事を捉える、モノの見方)に対して、ストレスを軽減し治療していく手法のことを指します。

そもそも思考というものは、出来事に対し自動的に発することがあり、そこに感情が伴ってきます。

それらから行動が起きますが、この仕組みに負の感情が伴ってくることは極自然なことです。

例えばですが、人混みが苦手、満員電車などに良い経験がないために、それらに対し過去の感情が自動的に呼び起こされます。

そうなると、非常にストレスが掛かる状態を想像しやすいものですが、そこから目的を諦めたり、目的を達するための道のりが困難になります。

この認知すること、をどのように捉えられるのか?を自分の感覚だけではなく、一度整理し、振り返りながら自動思考と現実の差を築くことから始まります。

大まかにはこのような内容を認知行動療法と言います。

まとめ

実践するには、医療提供者から適切な診断と治療を受けている前提はありますが、認知行動療法を実践してみると良い結果になる可能性はあります。

この方法などを実践する際は、我流などでも良いかもしれませんが、臨床心理士などの専門家に相談し実践してみることをお勧めします。

というのも、自分自身で試してダメだった時に、自己否定となり良くない結果になることもあるからです。

Williams AC de C、Fisher E、Hearn L、Eccleston C.成人の慢性疼痛(頭痛を除く)を管理するための心理療法。システマティックレビューのコクランデータベース2020、第8号。アート。番号:CD007407。DOI:10.1002 /14651858.CD007407.pub4。

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