今回は健康食品の黒酢について
健康食品としての黒酢は多種にわたる広告で、健康効果が期待できるものとして周知されている1つ。
しかし、どうにも健康食品の効果については眉唾な印象もぬぐえないもの。
そんな健康効果について開示されている情報を紹介します。
黒酢に期待されている効果
・疲労回復
・血圧を下げる
・血流を促す
・脂質代謝の改善
という働きを謳い文句として販売されているようです。
実際に行われた研究
・収縮期血圧130~159 mmHg、拡張期血圧85~99 mmHgの成人に15%黒酢含有飲料、 (33名、平均51.0±12.5歳) 又は15%リンゴ酢含有飲料 (34名、平均52.2±11.8歳) 、プラセボ飲料 (31名、平均54.1±9.6歳) を10週間摂取させた二重盲検試験を実施しています。
黒酢ならびにリンゴ酢含有飲料の摂取により2~10週後の収縮期血圧が低下した結果がみられました。
但し、血圧低下作用には黒酢の特徴的な豊富なアミノ酸やペプチドではなく、酢酸であることが示唆されたという報告もあります。
→この結果をどう捉えるのかは個人に委ねますが、研究のエビデンスの質に関する言及はなく、確たる根拠として言い切るには弱い気もします。
・慢性血液透析療法を行っている腎不全患者で、長期的に頑固な痒みを訴える18名 (36~72歳) に黒酢粕を2.5 g/日、2週間摂取させた実験です。
摂取前よりもかゆみに対して
「効果あり」と感じたのは4名 (22.2%)
「やや効果あり」と感じたのは8名 (44.4%)
「効果なし」と感じたのは6名 (33.3%)
という報告があります。
→慢性腎不全を患っている患者に対するものでは、痒みに焦点がおかれていますが、そもそも黒酢の健康作用に痒みについて言及されているのか?という疑問がありました。
そして、痒みの減少に関する研究結果は上述の通り。
有害報告
一般的な人に対して、高濃度摂取(30%酢酸を100ml)したところ、無尿、呼吸困難、播種性血管内凝固症候群と診断された例がある。
などなど。
一例を取り上げていますが、高濃度摂取したところの有害事象が報告されています。
安全性としては、推奨量の摂取ならば問題ないと考えられています。
まとめ
今回参照にしている報告は、厚生労働省のHPに記述されているものです。
世の中の黒酢に対してすべての研究か?というとそうではないのかもしれませんが、
確たる健康効果を得るものかというと疑問は残ります。
生憎飲んでも害はないものですので、信じて飲むこと自体には問題はないようです。
私としては、ここに出費するぐらいなら、日頃の食事を見直し、そこに予算を割いたほうが良いと思いますが。