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何故そんなミスをする?ヒューマンエラーの心理学について

Friday, January 29, 2021

心理学



 今回はヒューマンエラーの心理学について

ヒューマンエラーを防止することは、仕事場での安全性を高めるだけではなく、交通事故による不意な影響も減らすことが出来ます。

心理学上では、ヒューマンエラーとは?ということを紹介します。


ヒューマンエラーとは?

ヒューマンエラーとは、意図したルール違反以外で起こり得るエラーのことをいいます。

交通ルール違反によるスピードの超過、一時停止無視や一通無視、煽り運転などは意図した場合が多く含まれますので、心理学ではヒューマンエラーとはいえないものです。


ヒューマンエラーとは故意ではないエラーということになりますが、細かく分けると技能に基づいたエラーと、判断ミスによるエラーと分けることが出来ます。


技能に基づいたエラー

熟練した者でも、集中力が途切れたり、意図をせずに起こるエラーのことを言います。

プロの料理人がボーっとしていて火傷した、のような。

実行段階におけるミス

・誤った手順で犯すミス

・誤ったタイミングで犯すミス

・数字を取り違えるミス

・誤った操作を行うミス

といったプロセスで起こるミスがあります。


失念、記憶違いにおけるミス

・やるべきことを忘れている

・重要な手順をとばしてしまう

・不必要な手順を繰り返してしまう

・機材のスイッチを切り忘れる

・集中していないので、どの手順にいるのかを忘れる


この項目は本人自身の集中力などに依存するミスであり、熟練したものでも起こり得ることです。



具体的な予防策

これらのミスを繰り返さないために、

・操作する機材、手順を改善し、技能に基づいたエラーを減らす

・エラーの原因を分析し、必要となる職場環境などの改善を実行する

といった手順を必要としてきます。


心理学なので、パーソナライズされたことを改善する?と思いきや、そうでない行動をするということです。

決してミスをした本人を責めるわけではなく、そういった環境が作られてしまう要因を解決するということ。



判断ミスのケース

判断ミスする理由としては、熟練度が足りないものが、不適切な判断を下し行動した結果起こること。

実行した当人は正しいと思いこんで実施されているケースが殆どです。


ルールに誤りがある場合

・誤ったルールが適用されている

・誤報が繰り返され、真実の情報が無視される

・適切なタイミングで、ルールが適応されていない

・不備があるまま、ルールが適用されている


本人の知識などに誤りがある場合

・遂行するために必要な知識がない

・上手くいかない解決策を考えだしてしまう

・解決法がわからないまま、試行錯誤して遂行する



具体的な予防策

・行えない業務などを遂行できるように、しっかりと訓練する

・経験が浅い人には監督をつけ、作業手順を図で表した資料を作成し、理解を促す



何故ミスするのか?ということが適切に解析できれば、それらに応じた策が講じれます。


企業などでよくある指導を徹底し、同じことを繰り返さないようにします。

という内容の謝罪文などは、本当にミスの原因が判明しているのか、それとも定型文をただ出しているのかということは闇の中。

少なくとも、従業員によるSNS炎上騒ぎなどによるものは、意図的なルール違反なので、ルールの改定とかではなく、他に足りないものがあります。



意図的なルール違反について

意図されたルール違反には、

・日常的な違反行為

・状況による違反行為

・例外的な違反行為

と分けることができます。


日常的に繰り返される例として、信号無視をして横断歩道を渡る、エレベーターを使わずに非常階段を使用するなど。

状況によるものでは、時間がない、十分でない設備、設備のレイアウト上の制約による違反、期限に間に合わないため適切でない者に遂行させるなど。

例外的な違反は、日常的に起こりえない状況下で、普段では実行しない方法を実践してしまう判断など。



防止策として

・ルールを適切なものに保てるように、ルールの背景を説明する

・十分な指導、緊急時のための訓練を実行する

・誰もが意見をいいやすいようにする


メディアはいい加減やどうでもよい情報を流すぐらいでしたら、何故このようなルールを守る必要があるのか?ということを説明したものを流す必要があるかと。

あぁそうか、それでは視聴率とれませんよね。



まとめ

以上がヒューマンエラーとは?についてです。

分かれば対策もできますが、何故それらが適切に行われないことがあるのか?ということについては、これまでの流れを良く見ていただけたら分かるかと。

そうです、管理する側の理解が不十分だったり、ルールを制定するものが守らない、意図が伝えれないなどのことがあります。

すべてのヒューマンエラーが個人によるミスではなく、その環境を作り出していることに要因があったりもします。

こういったエラーを減らすために、HFE心理学という分野では、作業に必要な機器のデザインや操作するパネルなどの分かりやすさを研究しているようです。

何故ミスをするのか?ということに疑問な方は、この知識で分析してみては?

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