妊娠すると、食事や運動することに対して優先順位が下がることがありますか?
別の辛さだったりがあるからと聞きました。
運動と食事が大事なのはわかります。
けれどもどれくらい大事なのか判り辛かったりするものです。
そんな妊娠中の運動と食事について、どのような結果が得られるのか?を研究している論文を紹介します。
この論文の目的は妊娠糖尿病(GDM)を予防するための食事と運動の組み合わせ、
および母親とその赤ちゃんの健康上の問題は何が起こるのか?を調べています。
2015年に最初に公開されたコクランレビューです。
研究内容は?
・19の研究から6633人の女性を調査した。
それぞれの結果
・標準的なケアを受けた女性と比較して、 食事療法と運動プログラムを受けた女性のGDMの可能な減少を示しました。
・運動プログラムを受けた女性は、14の研究(6089の女性)で帝王切開の減少の可能性を示した。
・子癇前症(8件の研究、5366人の女性)、その他の健康上の問題において、グループ間に違いは見られませんでした。
・高血圧に関しても違いは見られていません。(6件の研究; 3073人の女性)
・出生時年齢の大きな赤ちゃんでも違いはありません。(11件の研究、5353人の赤ちゃん)
・会陰外傷でも同様に違いはありません(2件の研究; 2733人の女性)
・出生前後の乳児の死亡(2件の研究; 3757人の乳児)、
出生後の低血糖の乳児(2件の研究; 3653人の乳児)、
および過体重の乳児(2件の研究; 794人の乳児)は2つのグループで違いはありませんでした。
・運動と食事のプログラムに最適な要素はまだ明らかにされていないが、
エビデンスは、食事療法と運動プログラムの組み合わせがGDMの予防に効果的であるかもしれないことを示唆しています。
シェパードE、Gomersall JC、Tieu J、Han S、Crowther CA、Middleton P.妊娠糖尿病を予防するための食事療法と運動療法の組み合わせ。系統的レビューのコクランデータベース2017、第11号。番号:CD010443。DOI:10.1002 / 14651858.CD010443.pub3。
つまりは?
運動と食事を適切なプログラム化すること自体に有害な副作用はないようですので、
取り組むこと自体は非常に良いことだとは思います。
その得られる効果としては、妊娠中の糖尿病の予防になるかも?ということと、
帝王切開のリスクが減るかも?ということ。
赤ちゃんの成長が、妊婦の血圧がどうって効果は確認できていないため、
もし違いがあるのであれば、メンタル面に影響するのか?と思いました。
見えない、比較ができない出産と赤ちゃんについては、
効果があるって言われると信じざる得ないものが多すぎます。
やっておけば良かった・・・となるのが人間ですから。
科学的には、過度な効果に対する期待はしないほうが良さそうな状況ですので、
運動・食事を整えるのは自分のため!と思われたほうが良さそうです。