今回は成人の骨折を治癒させるための介入、電磁場について
骨折を短縮させるため、様々な施策が実施されるなかそれって本当に短縮できているのか?ということは骨折した本人にはわかり辛いものです。
それらの時に思わぬ治療方法に出くわさぬように、こういった情報を研究している論文の結論を紹介します。
研究の内容は?
・125人の参加者を含む4つの研究が含む。
3つの研究でパルス電磁界の効果を評価
1つの研究が容量結合電界を評価
長骨の骨折で治癒が遅れている参加者が含まれていたが、
ほとんどのデータは脛骨の疲労骨折に関連していた。
すべての研究は盲検無作為化プラセボ対照試験であったが、各研究には限界がある。
電磁界刺激の臨床的有効性の主要な尺度は、固定された時点で骨折が合体した参加者の割合でした。全体的にプールされた効果量は小さく、統計的に有意ではありません。
(リスク比1.96、95%信頼区間0.86〜4.48、4試行)
このプール分析には実質的な臨床的および統計学的異質性があった。
複数の追跡調査時点が研究間の不均一性に及ぼす影響を判断するために実施された感度分析は、影響の大きさは24週間後でも有意ではないことを示した。
2件の試験で痛みの軽減は見られませんでした。
機能的結果の尺度について報告された研究はない。
1件の試験で、治療に起因する2つの軽微な合併症が報告されました。
結論
入手可能な証拠は、電磁界刺激が遅発性骨折および非骨性骨折の長骨骨折の治療に何らかの利益をもたらす可能性があることを示唆しているが、決定的ではなく、現在の診療に情報を提供するには不十分である。
まとめ
ここでいう"電磁界刺激"というのは、電気を使ったものとはやや違ってあまりメジャーではないようです。
電磁場という力を治療に利用し、骨折の治癒を早める期待がされているものなようで。
しかし、論文上の結論からはそれらの証拠はありませんでした。
更なる研究によって、言い切れる結論に変わるかもしれませんが、
現状、僅かなリスクを抱えるこの方法は避ける選択肢も持っていたほうが良さそうです。
スポーツ現場などでお目見えしそうですが、そういった結論なんだなぁ~ぐらいで。
グリフィンXL、コスタML、パーソンズN、スミスN。成人の長骨骨折の遅延癒合または非癒合を治療するための電磁界刺激。系統的レビューのコクランデータベース2011年第4号。番号:CD008471。DOI:10.1002 / 14651858.CD008471.pub2。