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This is a blog about the scientific basis of medicine. A judo therapist reads research papers for study and writes about them.

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マッサージで乳酸はどれくらい除去できたのか?って研究

Thursday, January 28, 2021

運動


 今回は運動後の乳酸除去とマッサージについて

皆さんは運動などを行った後に、リカバリー目的でマッサージなどを受けますか?
それともリカバリーはゆっくり休むなど?

運動後のリカバリーに関して、個人の好みが分かれるものかと考えられます。

因みに私としては、運動後はゆっくり休む派です。

そして、乳酸といえば、運動中に体がエネルギー産生を行う際に発生するゴミとして説明されることがありますね。

乳酸が減れば、疲労は減少するという安易な考えが世の中に出回っていることが実際なものですが、マッサージと乳酸除去に対する研究がありましたので紹介します。

研究内容

4つの方法による介入が、高強度運動後の血中乳酸の動態に及ぼす影響を調べた研究です。

ランダム比較化試験とクロスオーバーが採用されており、自転車競技選手18名を対象に実施しております。

選手の自転車競技経験年数は5年前後となります。

そして、4つの方法とは、
・動的回復
・静的回復
・マッサージによる回復
・動的回復にマッサージを組み合わせた方法

はじめに最大酸素摂取量を測定し、これらの介入をし、5kmサイクリング運動を2回行っていました。

評価項目として、血中乳酸値、心拍数、サイクリング運動のトライアルタイムを評価しました。

結果として、4つの方法のうち、動的回復、静的回復、マッサージによる回復において、5kmサイクリング運動の増加率は有意に増加していました。

しかし、この中で動的な回復が行われた場合、最も低値となる結果が出ています。

そして、動的回復とマッサージを組み合わせた方法では、有意な差は見られませんでした。


乳酸値に関しては、動的回復、動的回復とマッサージによる介入は血中乳酸の動態に影響があることが確認されています。


コメント


本研究では、自転車競技選手の運動負荷による血中乳酸の動態を指標にし、それぞれの介入 の影響を検討している。動的な回復と(Active recovery)動的な回復とマッサージの組み合わせ による回復(combine)において血中乳酸値の増加率を減少させるといった結果である。運動と 運動との間にどのような介入を行うのが、良いかは一定の見解が得られていないことから、ス ポーツ現場で活用するための基礎的資料になり得ると考える。 


考察 


試験方式は信頼性の高いものが採用されていましたが、この検証人数ではこの介入方法の効果の裏付けとして弱いようにも感じます。

私の印象としては、とある1チームに介入した結果良かったからこの方法は凄い!というようなもの。

そして、マッサージに関しては行う箇所や時間などでバラツキが出やすいため、この結果を再現するとなっても難しいところ。

検証人数の少なさや再現性の難しさなどの理由から、この結果を鵜呑みにすることはどうなのだろう?という感想。

どう思われますか?


※動的回復・・・詳細な説明が要約にはないのですが、おそらくクールダウンなどの軽運動を意味するものかと。

まとめ

これらの介入は乳酸値の影響に対しては、動的回復あるいは動的回復とマッサージを組み合わせた方法が良いとのこと。

そして、運動効率に関しては動的回復、静的回復、マッサージという介入で良い結果が出ている研究となりました。

考察のところに記述しましたが、私としては好きな方法で回復をすれば良いのかな?と感じる研究結果でした。


Monedero J, Donne B. Effect of recovery interventions on lactate removal and subsequent performance. International Journal of Sports Medicine. 2000; 21: 593-597. MEDLINE ID: 11156281 

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