今回は心理学からみる宿題について
皆さんは学校に就学している時に、宿題って真面目にやっていましたか?
恐らくですが、多くの方は出された課題に対して真面目に取り組んでいる方だとは思います。
私自身は、宿題をせずに、別のことに没頭するような人なので、宿題についてあーだ、こーだと講釈をすることはできません。
心理学の研究では、宿題が子供にどのような影響を与えるのか?ということについて調査されており、中々に興味深い内容でしたので紹介したいと思います。
研究の内容
研究は6つの北カルフォルニアの学校の子供たち(n=397)と、保護者(n=442)、教師(n=28)を対象としたものになります。
子供たちは小学校3~6年生となり、男女比6:4、白人60%、ヒスパニック30%、アジア10%という構成になります。
調査は宿題についてどう思うのか?ということについて、質問票にて行ったというものです。
子供には15項目、保護者には23項目、教師には22項目といった内容であり、子供たちの質問票には宿題に関して、保護者と教師の質問票には子供の宿題と社会/感情的健康といったことを調査する内容が記述されていました。
結果として、以下のようなものがあります。
子供たちの回答の多くは、宿題について退屈、欲求不満、イライラといった不快な感情を抱く中、一部の子供たちには、頭がよくなったような感があるといった報告がありました。
保護者と教師の中には、子供たちが不快な感情を抱くといったことを想像しているような節はなく、宿題は学力向上などのプラス面のみを期待しているような内容が殆どでした。
これは、親や教師が宿題という自宅学習に多大なる効果を信じ込んでおり、学力、労働倫理、責任、自立といったことを習得させるためにも良いことを思っていたようです。
しかし、保護者と教師の間では、宿題の質や量などが共有されておらず、親が宿題の内容が把握出来ていないということもありました。
実際に学力の向上に役立ちそうな日常生活の行動として「睡眠」が考えられますが、宿題の影響により睡眠の質が低下しているといった内容もありました。
そして、睡眠の質が低下していることを自覚している親も少ないということもわかりました。
レビューアの結論
この研究は、子供、親、教師によると、学業上の要求、特に宿題が、睡眠を含む子供の社会的感情的幸福に与える影響に関する追加の研究の基礎を提供します。さらに、この調査は、教師が宿題を割り当てる理由に関するいくつかの情報と、学校の宿題ポリシーの欠如に関する文書、およびそのようなポリシーに関する親と教師の間の誤った知識を提供します。
既存の文献やメタアナリシスは、宿題は少し基本中年学習者の学力(クーパーらに何のプラスの効果をを有することを示す。2006 ; Trautweinとコラー2003 ; Wolchover 2012)。これは、宿題がこのレベルでの学業成績を助長しない場合、それが子供たちの生活の他の領域にどのように影響するかという質問につながりました。この研究は、小学生の社会的感情的健康に対する宿題の考えられる影響に関する予備的な情報を提供します。この知覚研究からの予備的な結論は、地区、教育者、および親が子供の学問的および社会的感情的健康をサポートする証拠に基づく宿題の方針を提唱するように導くかもしれません。宿題は小学校レベルで割り当てられる場合は、表8は地区、教育者、両親(オランダらのための具体的なガイドラインのサンプルと一緒に、そのような割り当てのために推奨されるベストプラクティスが含まれている2015)。
まとめ
研究の内容として、宿題が持つ意味がないような記載をしていますが、この調査内容自体もまぁまぁ突っ込みどころはあるので、鵜呑みに出来るものではありません。
しかし、宿題の量などで、実際に不快な感情を覚えた記憶もあるため、個人的な同意も出来る調査内容でもありました。
宿題を出す側として、出しっぱなしではなく、テスト結果に反映されるのか?書字が綺麗になるのか?音読が十分にできるのか?といった宿題の結果を測定しては?と。
勿論、作業量が増えるのも考え物ですので、宿題はテストをする内容などに合ったものを出し、効果測定を出来るようにすれば、宿題が持つ意味も出てくるような気もします。
そうなれば、テスト勉強など、慌ててやる勉強もなくなるなぁ~など考えさせられました。
この研究から、個人的に役に立った情報として、子供は宿題に対して否定的な感情を抱いている可能性はある、ということですね。
Holland、M.、Courtney、M.、Vergara、J。etal 。3〜6年生の宿題と子供:目的、方針、および学業以外の影響。 チャイルドユースケアフォーラム (2021年)。https://doi.org/10.1007/s10566-021-09602-8