今回は閉院と心理学的考察について
私は接骨・整骨院業界に携わって、まだ7,8年ぐらいな浅い経験年数となりますが、その間にも倒産したり閉院したりする企業・個人さんをある程度の数見てきました。
そして、携わる中で現場で働くこともそのうちの半分ぐらい経験した中で、閉院したり倒産する特徴もある程度情報を集めることが出来ました。
その情報が企業や個人で経営している人にとっては改善点に、患者として通うのであれば信頼感になる情報だと思いますので、閉院したりする特徴を紹介します。
その①消費者行動が理解できていない
自分が欲しいものや必要とするものを購入する際に、どのような意思決定をして購入に至るのかを理解していない企業さんが見受けられます。
その特徴として「選択のパラドックス」が起きているケースが見受けられます。
選択のパラドックスとは、人は選択をするときに、選択肢がないと不自由さを感じ不満を感じます。
そして、選択肢が過度に多いと消費者は圧倒され不満に陥り、自分が選んだものよりもっといい選択肢があると思い不安になるということ。
接骨・整骨院業界で共通してある商品といえば、
・外傷の処置
・交通事故後の施術
・受領委任制度を活用した保険適用範囲での施術
となります。
其々に選択肢というものは存在することは難しく、あるとすれば施術方法の選択ぐらいしかありません。
温熱療法、冷却療法、物理療法、手技療法といった選択肢となってきます。
こういった選択肢を上手く開示している院もあれば、そうでない院もあります。
なかには、この療法に自体に別料金を設定し、高額な負担金を請求するケースもあります。
消費者=患者は感情で動くため、その感情は意思決定や行動に大きな意味を持ちます。
日頃、日用品や家電商品などの購入をする際を想像してもらえば良いのですが、企業イメージや値段、性能などあらゆる情報を吟味し、購入するということになります。
そういった購入のプロセスを起こしにくいようになっている仕組みも、消費者心理に不安を与え、足を遠ざける結果となってきます。
上述の例を、同じように扱うことは難しいようにも思えますが、金銭を支払い購入するという点では同等なので取り上げました。
その②リーダーの不在
リーダーいるし!って思われるかもしれませんが、リーダーシップがあるないで話は変わってきます。
リーダーシップとは、組織に影響を与える人のことをいい、組織のメンバーの態度、考え方、行動、感じ方に影響を与えます。
優れたリーダーの特徴として、
・厳しい倫理観を持つ
・権限を委譲する
・所属意識を育む
・新しい考えを取り入れる
・部下の成長を促す
ということが挙げられます。
今までお仕事などでお付き合いしてきたリーダーさんたちは、これらの形だけは取り繕っているような状態でした。
倫理観を持っているようでも、己の好き嫌いが激しいので、公正感や安心感がない。
権限を委譲しているようで、業務を丸投げしかしていない。
所属意識を育むようにしていても、仲良しごっこのサークルのような状態である。
新しい考えを取り入れているようで、話を聞いていなし実行しない。
部下の成長を促しているようで、動機づけを低くしてくれるような関係性しか持たない。
言い過ぎな気もしますが、実際にこういった点に当てはまるリーダーさん達の部下は離職したり、逃げるように独立したりといった状況を目にしてきました。
リーダーシップ論については、昨今流行っているのか多様な理論がありますが、それらを実行できている人は非常に少なく感じます。
良いリーダーを見分ける理論として、特性論、自然発生論、行動論とありますが、行動論以外はその人がもつ資質に左右される理論であり、再現性がありません。
良いリーダーを選出、立候補するならば、行動論の「リーダーに必要なのは生まれつきの特性でなく、行動の仕方である」という考えを推したいところ。
行動をする、しないというよりは、その行動や言動がチームの行動にどう影響するのかを理解していないままやっているので、何を失敗しているのか判っていないという例が多く見られました。
その③チーム形成の失敗
何かしらの目標を達するためには、組織内外の人で1つのチームを形成し目標を達する必要が出てきます。
接骨・整骨院では、業務自体に差をつけることは難しいケースがあります。
それは、取得資格の特性に偏ってしまうことがあるからです。
例えばですが、柔道整復師が5人在籍するチームよりも、柔道整復師が2人、鍼灸師が2人、スポーツトレーナー1人のような勉強をしてきた分野も異なれば、違った方法で補完医療を提供できる環境にあった方が幅が出そうな気もします。
そんなこともあり、昨今では資格を多数取得する人がいますが、チームを形成するにあたって1人の多様性が増えることは好ましいことでありますが、多様な人が1人いて他のメンバーが同じ特性、というよりも5人それぞれに役割が割り当てられる方がチームの機能としては上手くいきます。
そういった複雑さ?もあり、役割を分けてチームを組むということを目にしたことは少ないです。
上手くやっていた例として、6人ほどのチームを組んでいる院でしたが、それぞれの従業員に施術する担当を振り分けていました。
この人は外傷処置、この人は交通事故担当、この人はリハビリ担当というような形でした。
そのチームは各々の業務に対して、非常に前向きに行動しているようにも見えましたので、私がチームを作るならってイメージの1つにもなっています。
中にはチームを作ったが、1週間ぐらいで飽きたのかな?というぐらい役割を放棄しているチームもありましたが、その半年後閉院していました。
どうやらメンバーが次々に退職したようです。
まとめ
今回は3つの要因を挙げましたが、閉院したり倒産する院の特徴として共通していたものを挙げさせていただいています。
他にも資金面や土地などの問題も、そうなってしまう要素はありますが、組織を形成する、消費者に購入をしてもらうための重要な要因が欠如していることにより、組織が崩壊する、売り上げが上がらないという面で挙げている要因たちです。
業界として、売り上げや人員の確保が難しく、新たな取り組みを行っている会社も多くみられますが、何にせよ組織が纏まらなければなりません。
問題点が多い業界ですが、上述した要因は変えようと思えば即日にでも変更が可能です。
あれ?って当てはまることがあればやってみてください。