今回は胸腰椎破裂骨折に対する治療について
体に軸圧方向の力が加わると背骨の骨折を起こすことがあります。
外力の違いで骨折の形状が変わってきますが、
一番強い外力の場合、椎体がバラバラになる破裂骨折という状態になります。
椎体の後面には脊髄が通っているため、神経損傷の合併が起こることも考えられますが、
紹介する研究論文では、神経損傷がない破裂骨折に対する外科、非外科治療の方法を比較しています。
研究内容
神経学的欠損のない胸腰椎破裂骨折患者の外科的治療と非外科的治療を比較した2つの試験を含めました。
これらは合計87人の参加者を募集し、2年以上のフォローアップで79人の参加者の結果を報告しました。
両方の試験は、選択バイアスの不明確なリスクと、盲検化の欠如に起因するパフォーマンスおよび検出バイアスの高いリスクで判断されました。
2つの試験では、最終フォローアップ時の痛みと機能関連の結果の対照的な結果、および仕事に戻った数が報告されました。
ある試験では、痛みが少なく、RolandおよびMorrisの障害アンケート結果に基づいて機能が改善されました。
同じ結果の測定に基づいて、他の試験では、外科手術群の痛みがより多く、機能がより悪いことがわかりました。
どちらの試験でも、仕事への復帰における統計的に有意な差は報告されていません。
両方の試験の手術群で合併症のある参加者の数が多かった。
そして、このグループの参加者のみが、合併症のため、または当然のこととして、インプラント除去を伴うその後の手術を受けました。
ある試験では、手術は非外科的治療の4倍以上の費用がかかると報告されました。
結論
2つの小規模で潜在的に偏ったランダム化比較試験によって提供された矛盾する証拠は、神経学的欠損のない胸腰椎破裂骨折を有する人々に外科的または非外科的治療が優れた痛みと機能的転帰をもたらすかどうかを結論付けるには不十分です。ただし、手術は初期の合併症の増加とその後の手術の必要性、および初期医療費の増加に関連している可能性があります。
まとめ
結論からは外科的処置と非外科処置の有意差について、確実な証拠はありません。
僅かな結果から得られていることとして、外科手術を実施すると、合併症や再手術の必要があったりなどが報告されています。
手術のミス?あるいは難しい手術なため、合併症などありきなものなのか?
と解釈は色々と出来ますが、両者を比較するとこのような結論もあります。
かといって手術をしないままで生活に復帰して、再発するなどのことを考えると何んとも言えないことにも。
アブドウM、チェンX、コングX、ウーT.神経学的欠損のない胸腰椎破裂骨折に対する外科的治療と非外科的治療。Cochrane Database of Systematic Reviews 2013、Issue6。アート。番号:CD005079。DOI:10.1002 / 14651858.CD005079.pub3。