今回は都市伝説に対する医学論文について。
このブログは、医学と健康に関して後悔しないような選択肢をとってもらうために、 科学的根拠の高い論文などを紹介し、それをどう使っていくべきなのか?を私が解説・提案していくブログです。 メールアドレスでの登録も宜しくお願い致します。
都市伝説。
皆さんは子供のころ、大人にこう言われて育ってきましたか?
「指をポキポキ鳴らすと関節が太くなる、関節炎になる」
私は言われて育ってきましたが、本当のところどうなの?
それを自分の手を対象に研究を続けた1人の医師がいました。
どういうことをしてきたのか?
1日に2回左手をポキポキ鳴らして、右手は鳴らさないようにすること50年という期間。
結果的に36,500回鳴らし続けた左手と、鳴らしていない右手で関節炎の評価をしました。
結果は?
結果的に関節炎はありませんでした。
この研究は期間は長いものの、サンプル数1の結果なため言い切れないところはあります。
しかし、同様のことを調査している実験でも結果は関節炎にならないというものでした。
(West J Med.1975;122:377-9)
そして、変形性関節症になるのか?ということも否定されています。
(J Am Board Fam Med.2011;24:169-74)
と、いう私は
鍵盤演奏を5歳から23歳までしていましたが、指を鳴らしていると動きが悪くなったので、ポキポキ鳴らすことをほとんどせず過ごしてきましたので、私自身も関節の変形や炎症ということになったことはありません。
つまりは、この都市伝説からは言い切れない結論ということになるため、
やっても、やらなくても変わらないの「かも」しれません。
Unger DL.Does knuckle cracking lead to arthritis of the fingers?Arthritis Rheum 1998;41:949-50.