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【多血小板療法】軟部組織損傷に対する治療法のエビデンス

Monday, December 28, 2020

整形外科

今回は筋骨格軟部組織損傷を治療するための多血小板療法について

非開放性、開放性損傷など場合によって行われる多血小板療法は一般的だそうです。

正直、この領域は知らなかったので私にとって新しい学びとなる治療法でしたが、
血小板は成長因子も含んでいるため、この治療法を行うと治癒が促進される。

という期待がなされています。

その方法のエビデンスについて紹介します。

研究内容

多血小板療法をプラセボ、自己全血、ドライニードリングまたは無血小板療法と比較した17件の無作為化試験および2件の準無作為化のデータから1088人の参加者が対象となりました。

試験では、8つの臨床状態を対象としています。
・回旋腱板断裂(関節鏡視下修復術)
・肩インピンジメント症候群手術
・肘関節上顆炎
・前十字靭帯(ACL)再建
・ACL再建(ドナー移植部位適用)
・膝蓋腱障害
・アキレス腱障害
・急性アキレス断裂の外科的修復

多血小板療法(PRT)注射が主な治療法である「テンディノパシー」に試験をグループ化しました(5つの試験)。
手術中にPRTが適用された外科的拡大手技(14回の試行)
腱板断裂、肘およびアキレス腱障害を含む試験を除き、試験参加者は主に男性でした。

・PRTとコントロールの間に有意差を示さなかった。

・4つの試験で有害事象が報告されました。

結論


全体的に、また個々の臨床状態について、筋骨格系軟部組織損傷の治療にPRTを使用することを支持するエビデンスは現在不十分です。RCTを検討している研究者は、特定の条件で将来のRCTの必要性を評価する際に、現在進行中の試験の範囲を考慮する必要があります。PRPの調製方法の標準化が必要です。

まとめ 

回旋筋腱板の修復術にPRTの有無で長期的な有意差が見られなかった。など肯定的な研究結果は出ていません。

研究結果の証拠の質は低いとされていましたので、方法などの変更では有益な方法なのかもしれませんが、あくまでも現状は期待できる。という話なのかと。

対象となった障害は男性に多く見られ、研究対象が男性ということでした。
肩の障害など女性でも起こり得るため女性での結果は気になるところ。

「期待できる」という方法を試すかどうかは個人の判断ですが、どう捉えますか?


Moraes VY、Lenza M、Tamaoki MJ、Faloppa F、Belloti JC。筋骨格の軟部組織損傷に対する多血小板療法。Cochrane Database of Systematic Reviews 2014、Issue4。アート。番号:CD010071。DOI:10.1002 / 14651858.CD010071.pub3。

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