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【症例勉強】抗血管新生療法の施術後に骨壊死した症例

Wednesday, December 16, 2020

症例勉強論文

今回はケースレポートです。


このブログは、医学と健康に関して後悔しないような選択肢をとってもらうために、 科学的根拠の高い論文などを紹介し、それをどう使っていくべきなのか?を私が解説・提案していくブログです。 メールアドレスでの登録も宜しくお願い致します。

大腿骨および脛骨のベバシズマブ関連骨壊死


37歳で卵巣の漿液性乳頭状腺癌と診断され、その時点で外科的治療を受けた喫煙歴のある60歳の女性。

ほぼ15年後、彼女は縦隔に再発し、6コースのカルボプラチンとパクリタキセル、続いて毎日のアナストロゾール、続いてタモキシフェンで治療されました。

ホルモン療法の22ヵ月後、彼女はリンパ節のみで疾患の進行が認められ、リンパ節の外科的切除とベバシズマブ(7.5 mg / kg)を伴うカルボプラチンとゲムシタビンによる6コースの化学療法を受け、その時点で化学療法は中止された。

抗血管新生療法は維持された。

さらに10サイクルのベバシズマブを投与された後、患者は大腿関節の両側性疼痛を訴え始めた。

患者は、局所的な外傷またはビスホスホネートの併用の既往歴はなかった。

左股関節に関節形成術を施行し、病理学的レビューで骨壊死、鬱血を伴う線維血管組織および線維症の証拠が示されたが、悪性細胞の徴候は見られず、後に右側で同じ手技を受けた。患者は手術後に症状が完全に消散した。

Leandro JC Oliveira、Felipe SNA Canedo、Karina P Sacardo、JoãoVM Alessi、Felipe G Barbosa、Andrea K Shimada、Artur Katz、Bevacizumabによる大腿骨および脛骨の骨壊死、Oxford Medical Case Reports、Volume 2019、Issue 5、2019年5月、omz040、https: //doi.org/10.1093/omcr/omz040


この症例から学べることは?

血管新生は癌の発生と生存における重要なメカニズムであり、それによって腫瘍は新しい血管を発達させ、それらの血管系装置を増強することができます
それは血管内皮増殖因子(VEGF)サブファミリーのシグナルタンパク質の関与を含むものを含む多くの複雑な分子経路によって仲介されます。

ベバシズマブは、すべてのヒトVEGFアイソフォームに対するヒト化モノクローナル免疫グロブリンG1抗体であり、1997年の開発以来腫瘍学で研究されています
米国食品医薬品局は、転移性結腸直腸癌、転移性非小細胞肺癌、膠芽腫、転移性腎細胞癌、転移性子宮頸癌および進行卵巣癌の治療用にベバシズマブを承認。
血管系パターンおよび血流の変化の可能性により、より一般的なベバシズマブの有害作用のいくつかは手術後の高血圧、タンパク尿および創傷治癒の合併症である傾向があります。
骨壊死は局所外傷による骨血管循環の中断または非外傷性因子によって生じ、およびその後の細胞死および可能な骨折
その正確な病因はまだ解明されていないが、それは遺伝的素因、代謝因子および血管損傷、骨内圧の上昇および機械的ストレスなどの局所的因子の複合効果の結果であるように思われています。

この病理学的実体は、複数の原因に関連してきた、と多くのリスク要因(例えば、アルコール、コルチコステロイド療法、ビスホスホネート、異常ヘモグロビン、ローカル放射線療法または手術)が年間を通じて報告されている

骨壊死の発生率は完全には確立されていませんが、米国では大腿骨頭病変のデータで年間2万から3万件の新規症例が推定されています。


問診時に聞くとしたら

問診で必要になってくる項目として多々あるなかで、骨頭壊死を予知するならば既往歴、喫煙習慣などは必須項目だと。

以前書いた記事にレッドフラッグの有用性について書きました。
複数のスクリーニングから得る結果から診断が下るものになりますが、
今回は症状の治療中に起こった骨頭壊死ということ。

もし、おや?と思ったら相談しようと思いました。

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