今回は共感とホルモンの関連性について
以前医療従事者の方に向けた「共感」について記事にしました。
今回は生理学的なホルモンの増加と脳電気活性の関連性を調査している研究で、
「オキシトシン」と「表情から共感」することについて論文で結論が出ているため、
結果を紹介します。
研究の内容は?
現在の研究では、以前の研究(Luo et al。、2015b)の1532人の被験者の遺伝子型サンプルから、25人のG / Gキャリアと25人のA / Aキャリアを含む50人の中国の女子大学生を募集しました。
現在の研究のサンプルサイズは、痛みを伴う表現に反応したERP振幅の人種内集団バイアスの確固たる証拠を示した以前の研究に基づいて決定され(Sheng and Han、2012)、
媒体を検出できるように選択されました G * Powerソフトウェアを使用して計算された、90%の力(f = 0.25、アルファ= 0.05および力= 0.90での相互作用の効果サイズ、Faul et al。、2007))
すべての参加者は右利きで、正常な視力または正常に矯正された視力を有し、異常な神経学的病歴は報告されていません。
年齢と形質の共感スコアは、2つの遺伝子型グループ間で一致しました。(P s> 0.05、表1)インフォームドコンセントは、脳波計(EEG)記録の前にすべての参加者から得られました。
この研究は、北京大学心理学および認知科学部の地元の倫理委員会によって承認されました。
結論
行動結果
脳波記録の前後の仲間と対戦相手のチームメンバーのメモリテストの結果は、
チャンスレベル(50%)より有意に高かった。(脳波記録前:G / G:81.2±12.9%; A / A:82.7±12.4% ;脳波記録後:G / G:78.6±12.4%; A / A:80.7±12.4%; P s <0.001)
IAT Dスコアは、G / GまたはA / A遺伝子型グループのいずれともゼロと有意な差はありませんでした。[0.04±0.23および0.03±0.17。t(25)= 0.98および1.00; P s> 0.3]
G/ GキャリアもA / Aキャリアも、他人種の顔に対して暗黙の否定的な態度をとっていなかったことを示唆しています。
自己申告による民族的アイデンティティのスコアは、2つの遺伝子型グループ間で有意差はなかった。
電気生理学的結果
図1で、アジア人および白人の顔の痛みを伴う中立的な表現に対するERPを示しています。
前の研究の結果(Sheng and Han、2012)と同様に、ERPは92〜120ミリ秒(N1)の負の波と前頭部/中央部で136〜176ミリ秒(P2)の正のたわみによって特徴付けられました。
その後、前頭/中央領域で200〜340 ms(N2)の負の波が続きました。
これらのERPコンポーネントのピーク遅延は、G / GおよびA / Aグループで類似していました。
中央/頭頂部に最大振幅を持つ長潜時陽性(P3)がありましたが、A / Aでは460〜504 ms、G / Gでは480〜564 msでピークに達しました。
G / GおよびA / A遺伝子型グループのERP振幅の分析には、正しい応答を伴う同様の数の試験が含まれました。(G / G:100.5±12.5 vsA / A:101.4±13.9、P > 0.5)
研究をまとめ
上記は少々わかり辛いですが、表情を読み取る研究介入から人種間による有意差などが無い状態で、共感能力について結論が出されていました。
オキシトシンの数値が高まると、相手の表情から「痛み」を読み取ることが行いやすくなっていたという結果です。
G/GとA/Aというのは、オキシトシンの受容体のことです。
人種によって共感する力は異なっていたのですが、
オキシトシンの受容体が活発になる人達は脳もビンビンに刺激されていました。
遺伝的なもので判明したもので、白人種に比べるとアジア人種の方が痛みを共感することが得意だった結果もありました。
決して白人種のグループに共感能力がない。というものではなく、
比較した際にそういった違いがあったようで。
生理学的に共感能力を高めるヒントはオキシトシンであったということも。
今回の研究で使えそうなヒントは「オキシトシン」ということかな。というところで。
Siyang Luo、Ting Zhang、Wenxin Li、Meihua Yu、Grit Hein、Shihui Han、オキシトシン受容体遺伝子と他者の痛みに対する共感神経反応のグループ間関係の相互作用、社会認知および感情神経科学、第14巻、5号、2019年5月、 505〜517ページ、https: //doi.org/10.1093/scan/nsz029