今回は膝蓋腱障害について
所謂ジャンパーズニーというもので、ジャンプを繰り返す競技選手などに発症しやすい症例の1つです。
これについて理学療法的に述べている論文がありましたので、
どういった評価をするのか?どういった介入が考えられているのか?
ということを紹介します。
診断
症状として、長時間椅子に座っていたり、しゃがみ込み、立ち上がりなどで痛みを訴えることが多いです。朝、晩などの痛みは訴えないことが見られます。
この障害になる選手はクイック動作に長けている優秀なスポーツ選手に起こりやすいという面もあります。
1つの手段としては患部の押圧です。
症状が出ている場合はVASは10段階に、無症候性であれば100スケールにて判断されます。
健側と比較しますが、見た目上で筋肉の萎縮などが確認できる場合もあります。
臨床検査としては減衰ボードに患側の足を乗せ、25°の角度の状態で膝が90°にできるか?というものが採用されています。
疼痛があると筋肉の動きにも影響が出るため、観察できるなら動作も一緒に確認してみてください。
痛みだけではなく、運動連鎖に問題があるためこの現象が確認できます。
後は、画像診断も行い確定させるとのことです。
鑑別診断
・膝蓋骨脱臼
・オスグットシュラッター病
・脂肪体の病変
疼痛部位が明らかに違いますが、解剖学が適切でないと特定できません。
分からない時は専門家に。
治療介入
・ストレッチ
・筋力トレーニング
・プライオメトリックエクササイズ
※腱の負荷に対する許容量が減少はしますが、完全に負荷を掛けなくすることは懸念されています。軽度のトレーニングは推奨されているようで。
外科的介入は好ましくない為、理学検査でも行われたスクワットなどで筋力強化が望ましいとなっています。
それでも疼痛管理が難しい場合は、副腎皮質ステロイド注射が行われることもありますが、6か月以上の長期成果では運動療法のみの方が良いとのこと。
その他
受動的な介入として、マッサージや電気療法など選択されることもありますが、これらの成果は良好に働くことが多いです。
しかし、装具などは根拠性はありません。
ちなみに慢性例の場合の体外衝撃治療法は、良い結果が得られていません。
それらの治療法には限定された証拠がありますので、提供者はしっかりとエビデンスを確認するようにとのこと。
まとめ
他にも情報はありますが、今回はこんなところで。
ジャンパーズニーがエリートスポーツ選手の証?との記述にはほくそ笑みましたが、
症状発症すると中々に辛いもの。
この症例の対処に当たったことがありますが、段々良くなると動きたくなる選手のコントロールに苦労したものです。
鑑別だけはしっかりと!
https://doi.org/10.1016/j.jphys.2014.06.022