今回は足首の捻挫癖のある方に朗報。
スポーツをしていれば、足首の捻挫をしてしまうこともあります。
捻挫とは字の如く「捻る」ということになりますが、
足首が左右のどちらかにグニャっと動いてしまうことです。
足首を捻挫すると重症度によっては、固定をしないと治癒が遅れたりすることもあります。
そして、捻挫は一度起こしてしまうと癖になってしまい再発しやすくもなります。
そんな慢性的な捻挫に対して介入された研究結果を紹介します。
研究の内容は?
2011年に発表されているコクランレビューより。
・10件のランダム化比較試験が含まれた。
うち388人を対象にしていました。
・神経筋トレーニングは4つの試験で評価された保守的治療。
トレーニングなしと比較した神経筋トレーニングは、4週間のトレーニング終了時に、より良い足首機能スコアをもたらした。(足首関節機能評価ツール(AJFAT):平均差(MD)3.00、95%CI 0.3〜5.70; 1試験、19参加者;)
4回目の試験(19名の参加者)は、双方向のサイクロエルゴメーターでの6週間のトレーニングプログラムを受けた後の機能的な結果に、従来の単方向ペダルと比較して大きな違いはないことを発見しました。
これら4件の試験では、より長期の追跡データは入手できませんでした。
4件の研究で、慢性的な足首の不安定性に対する外科的処置が比較されています。
1件の試験(40人の参加者)は、解剖学的再建術よりも腱固定術後の神経損傷が多いことを発見した。(危険率(RR)5.50、95%CI 1.39〜21.71)
動的腱固定術と静的腱固定術を比較した1件の試験(99人の参加者)では、
腱が薄すぎるため、動的腱固定術を割り当てられた17人の患者を除外した。
同じ試験で、動的腱固定術は機能不満足な人の数が多いことを明らかにした。
(RR 8.62、95%CI 1.97〜37.77、82人の参加者)
横方向足首靭帯再建術の技術を比較した1件の試験(60人の参加者)は、
再挿入術を使用した方が吸収法よりも手術時間が短かったことを発見した。
(MD -9.00分、95%CI -13.48〜-4.52)
結果は?
短期間では神経筋トレーニングだけで効果があるように思われますが、この利点が長期間の追跡調査でも持続するかどうかは不明です。慢性的な足首の不安定性のために他の外科的介入よりも1つの外科的介入を支持するための不十分な証拠がある一方で、動的な腱固定術の使用には制限があると思われます。外科的再建の後、早期の機能回復は早期の機能回復において6週間の不動化より優れているように思われる。
まとめ
分かったことと言えば、手術の有無にかかわらず慢性的な捻挫は治療できる。
短期的なエビデンスしかありませんが、神経筋トレーニングが有用であること。
という2つがわかりました。
今まで捻挫の既往がある患者からの聞き取りでは、捻挫に対する対策は何もなされていないことがほとんどです。
捻挫は対策をすれば予防できます。
そして、予防しなければ捻挫をし、回復するのに時間を要する必要があります。
命に係わるものではありませんが、生活の質に影響を与えることもあるため、
捻挫の癖がある人は対策をなされてください。
その際は「神経筋トレーニング」を行いましょう。
de Vries JS、Krips R、Sierevelt IN、Blankevoort L、van Dijk CN。慢性足関節不安定症を治療するための介入 系統的レビューのコクランデータベース2011年第8号。番号:CD004124。DOI:10.1002 / 14651858.CD004124.pub3。