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【アレルギー】小児の薬物療法のエビデンスについて

Sunday, December 27, 2020

アレルギー

今回は子供のアレルギーについて

鼻と呼吸に関する症状がでてしまうアレルギーに限定される話ですが、
現状発症している、今後発症しうる場合でもご存知頂いたほうが良い情報があります。

アレルギーの症状も薬物療法で短期的な期間で改善がみられるものもあれば、
慢性化し長期的に飲み続けないといけない場合もあります。

しかし、アレルギーになったことのない人はどれぐらいの期間のみ続ける必要が?

という目安がイメージしづらいこともあります。

そんな治療期間などについて研究している論文の結論を紹介します。

研究内容

・3つの治療研究で、182人の無作為化された参加者が対象に。

・4件の安全性評価研究では、3166人の参加者が無作為化されました。

・2つの大規模な治療研究では、介入群と​​プラセボ/プラセボ群の両方で有意な改善が示され、2つのグループ間に有意差は認められませんでした。

サンプルサイズが最小の研究では、セチリジン(第2世代の抗ヒスタミン薬)は、季節性アレルギー性鼻炎に関連する子供の慢性咳の軽減においてプラセボよりも有意に有効であり、治療の2週間以内に効果が見られました。

対照的に、アレルギー性鼻炎の子供を登録した3つの大規模な評価研究では、有害事象として咳の有意でない増加が記載されました。

4つの安全性評価研究から得られたデータを組み合わせた結果、有害事象として咳のグループ間で有意差はないことが明らかになりました。

結論


このレビューには重大な制限があります。しかし、慢性咳に対する抗ヒスタミン薬の有効性が不確実であるという我々の発見は、子供の急性咳に対する発見と類似しています。慢性咳のある成人への推奨とは対照的に、抗ヒスタミン薬は慢性咳のある子供の経験的治療として推奨できません。これらの子供で抗ヒスタミン薬を試用する場合、現在のデータは、治療から2週間以内に臨床反応(反応までの時間)が生じることを示唆しています。ただし、非特異的な咳のある子供での抗ヒスタミン薬の使用は、特に非常に幼い子供での有害事象のよく知られているリスクとバランスをとる必要があります。

まとめ 

今回はアレルギー性鼻炎に関しては2週間以内に効果が測定できた。(改善しているとは言っていない)
そして、慢性的な咳に対しては抗ヒスタミン薬の効果測定は2週間観察が必要であることと、それが有効性が高いのか?ということについては確実なことが言えないようで。

しかし、抗ヒスタミンに関してはよく処方されているようなので、専門でも古くからされているところは、この事実に反する処方をするのかもしれません。(研究自体は2008年に発表されています。)

勿論統計学的に有効性が低い、ないと判断されるものが100人中100人に効果がありません。というと語弊を招きますが、有効性が低い分頼り辛いものでも。

この研究は幼い子供に対して行われているので、成人となると話が変わってはきますが、
お子さんを持つ家庭ではこういった結果がある。ということも知っておきたいこと。


Chang AB、Peake J、McElrea MS。小児の長期にわたる非特異的咳に対する抗ヒスタミン薬。系統的レビューのコクランデータベース2008年、第2号。番号:CD005604。DOI:10.1002 / 14651858.CD005604.pub3。

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